日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「ロスジェネの逆襲」を読む。

ロスジェネの逆襲
池井戸潤著・文芸春秋

 昨年高視聴率を取った「半沢直樹」の続編。こちらも今年ドラマ化されるらしい。会社の同僚に借りて往復の電車の中、2日で読んじゃいました。
 前作で子会社「東京セントラル証券」への出向を命ぜられた半沢。銀行で子会社出向といえば片道切符も同然。そんな中でも腐ることなく信念を曲げずに目の前の仕事に全力を尽くす半沢の姿勢は味方もつくるけど、旧弊な組織の中での出世競争にのみ腐心する奴らからは反感を買いまくる。
 確かにこのお話はフィクションだけど、振り返ってみれば自分の近くにも半沢に敵対するような奴らと同じような人がいる。どちらかというと私はリアルに半沢側の人間なのでそういう奴らにむかつきはするけど、いかんせん現実には半沢を陰に日向に支援してくれる渡真利のような仲間も中野渡のような上司もなかなかいない。だからこそ半沢には成功して欲しいと、仮託する多くのサラリーマンがいてべストセラーになりドラマ化すれば高視聴率となるんですねぇ。

 銀行の証券営業部門vsその銀行子会社の証券会社という図式が、現実にあるとは到底思えない。それはフィクションだとしても、お互いに手持ちのカードを切り合い、新たなカードを手に入れ、それを効果的に場に出す。このゲーム感覚が最後まで切れ目なく続く。企業買収物が面白い所以です。企業買収ものといえば半沢シリーズの前に真山仁の「ハゲタカ」が面白かったです。半沢よりもリアルに企業買収、再建が描かれていてこちらも脳に汗をかくお話です。


 ロスジェネ(ロストジェネレーション)とは、バブル崩壊後の就職が困難であった時期(1993年から2005年と定義されている)を指す語。そのロスジェネ世代の部下に半沢はこういいます。


 「ロスジェネ世代にとって、バブル世代は無能の集団かも知れない。しかし、バブル世代の我々も団塊の世代は目の上のたんこぶだ。バブルを作り壊して逃げ切る…。そう、どこにでも、「世代論争」はある。ロスジェネ世代のすべてが優秀なわけではないしどの世代にもまともな人はいる。」


 単に世代という大括りで言うのは乱暴だけど、なるほどバブル期入社組の中でいまだにそれを引き摺ってる莫迦者は確かにいます。ロスジェネ世代なおしなべて優秀ですが、長いものには巻かれろ的な迎合を常とする輩が多いのもこの世代の特徴。ただ全員を世代論にあてはめるのは甚だ危険だから、そういう色眼鏡で見てはいけません。
 振り返ってみると私は、最初の会社は昭和63年(1988)だからバブル入社組なのですが、今の会社に入ったのは1993年なので、そういう意味ではロスジェネ世代でもあります。そう世代間ハイブリッドなんですw