2013年公開・新海誠作品。
前作の「星を追う子ども」がいまいちジブリっぽ過ぎて乗りきれませんでしたが、「言の葉の庭」は前々作「秒速5センチメートル」チックな感じで期待してました。
結果、期待にそぐわぬ作品で、感涙してしまいました(T_T)。
他の新海作品同様、とにかく絵が綺麗。それだけでも一見の価値ありです。私的には、見慣れた新宿の街が舞台なので感情移入しやすい。しかし、切りようで新宿がこんなに綺麗に見える。新海マジックだ…。
高校1年生のタカオは、雨の日の1時間目は必ずサボって新宿御苑の屋根付きのベンチにいる。雨の中やっているのは靴のデザイン。靴職人になることを夢見る彼にとって、学校は自分のいるべき場所じゃないと思っている。ちょっと大人びた15歳。そのベンチでいつも同じ女性に逢う。どうやらOLをしているような感じだけど、いつも缶ビール(といってるけど「金麦」は発泡酒だ)をチョコをつまみに飲んでいる。
ある日タカオはその女性に声をかける「どこかであったことありましたっけ?」その女性は、返事をする代わりに、万葉集の歌を詠む。
「雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」
柿本人麻呂の句ですね。万葉集の2513番目の歌です。
返歌は2514番にあり、
「雷神の 少し響みて 降らずとも 我は留らむ 妹し留めば」
というもの。
「雷が少し鳴って、曇って雨でも降れば、あなたを引きとめてくれるのに…」って言われて、「いやいや、雷が鳴って雨が降らなくても、あなたさえ『いかないで!』って言ってくれればいつまでもここにいるよ」
って感じの意味?
それから何度もそのOLっぽい女性に逢うタカオは、歳の差を考えず少しずつ惹かれていく。15歳とはいえ考え方は充分大人。時折交わす会話が徐々に増え、お弁当の交換(タカオは家庭の事情で自分でお弁当を作っている)をしたりして、距離はどんどん縮んでいく。タカオは彼女の靴を作ることを約束し、足の型を取る。ここはちょっとドキドキしてしまう。
それから数日後、ありえない場所で彼女と再会することになる…。
上映時間46分の短編ですので、この後の展開は是非自分の目で確かめてください。感涙必至です。
最後に流れる主題歌も良かった。是非覚えて唄いたいなぁ。
タカオくんのCVは入野自由くん。以前書いてますけどお父さんと知り合いなんですよ。もう何十年も逢ってないですけど、学生時代キャンプの指導員やってた時にホントお世話になったんです。元気かなぁ。自由くん「千と千尋の神隠し」のハクとかもやってました。ホントいい声優さんになりました。なんか私も親気分で嬉しいです。
(予告編↓)