池井戸潤 著 /講談社文庫
日テレ水曜２２時のドラマ「花咲舞が黙ってない」のもうひとつの原作。
総務部の中で支店の不祥事処理をする指宿修平と人事部から派遣された女性行員唐木怜による連作短編集。キャラクターは若干違いますが構成は「不祥事」と同じなので、この２つを原作としてドラマを作るのはありです。
「不祥事」に比べると物語はハードな展開。ただ後半の話は「不祥事」と同じフォーマットが完成されていて、物語の結末が書かれず、その光明が見えた時点で幕となっているのが、好き嫌い別れるところかと。普通のお話なら余韻を残すのもありだけど、この手の話は、これから先またひと悶着ある事も想定でき、もう少し先まで、悪い奴をぎゃふんといわせるところまで書いて欲しいと自分としては思います。
花咲舞は漫画的なキャラクターだけど唐木怜は、影のある美人といった感じ。唐木怜のキャラクターは、花咲舞より好きかも。
それにしてもドラマ化に合わせた新装版の表紙がとてもいい。イラストレーター大前壽生さんという方の画らしい。
