日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「宇宙戦艦ヤマト2199追憶の航海」


(ちょっとネタバレありなので観るつもりで観てない方、ネタバレ勘弁な方はあとでご覧下さい。)


 こないだの日曜、結婚披露パーティの前に、せっかく都心に出るので新宿ピカデリー11:25の回を予約し観てきました。連休の中日とはいえ、3〜4分の入り。うーむ少ない。


 「宇宙戦艦ヤマト2199追憶の航海」は、2012年4月〜2013年8月までTVシリーズ全26話分を7章に分けてdvd/blu-ray発売と合わせイベント上映、その後TVで放映されたオリジナルを再編集したもの。
 約12時間のお話を131分に再編集するのは、無謀です。77年の旧劇場版もTVシリーズの再編集でしたが、151分。たかが20分、されど20分。しかも、今回の「―2199」は旧版に比べて各話に全体に繋がる伏線が仕組まれていて"ボトルショー"的なエピソードが少ない。なので、時間軸に沿って編集をしていくと4時間くらいか掛かる(パンフレットより)、というのも頷けます。全体をヤマトの航海の中での戦闘シーンをピックアップして繋ぐというのも方法としては有りですが、果たしてこの再編集版は何を目指していたのか疑問です。
 オープニングを「メ2号作戦」にして、そこまでの話はダイジェストにするというのは、野村芳太郎監督の名作「砂の器」でも、いきなり羽後亀田駅での出張捜査で始まるというのがあるので、特に珍しい演出ではありませんが、本編オープニングの冥王星会戦はほぼなし、ガミラスの地球侵攻も出発のシークエンスも超ダイジェスト。バラン星の一点突破、ドメルとの七色星団はそこそこの厚み。ビーメラ星の話は本当に必要?挙句の果てにイスカンダル出発でエンディング。これでは初見の方は完全に置き去りです。映画として成立しない映画は評価にすら値しません。TVシリーズを知ってる人で大画面でヤマトを観たい人だけに向けたプロモーション映画です。

2199の新たな設定とかを多少織り込みつつ、旧版通りの編集をしていれば、少なくとも一般の観客への波及もあったかもしれません。まぁ「旧作の呪縛から離れる」のも2199スタッフにはあったでしょうから、旧版通りにつなぐという選択肢はありえなかったと思いますが、しかし新たなヤマト映画としては、一般客を取り込む為に妙なプライドは捨てて欲しかった。尺が足りないのにオープニングエンディングはしっかり入れる矛盾。イスカンダル出発以降はエンディング内のカットで処理。新しいカットにしてもマニアにしか判らない程度のもの。そのカットを追加するならその分本編で入れて欲しいセリフはいくらでもある。
 12月の完全新作「宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟」の露払いにしてもちょっと唸ってしまいます。
 強いて挙げれば音響の5.1chサラウンド。これはよかった。これくらい迫力ある音でほんぺん観たかったな。
 さて新作はどんなお話になるのか。サイドストーリー(24話と25話の間)を2時間でやるのですから、こちらに期待。でもこれも、本編26話観た人向けのお話だからなぁ。やっぱ今回のTVシリーズ総集編は、多少無理があっても、時間軸通りの総集編を前後篇2話でもいいので作った方が良かったんじゃないでしょうか…。
 

そして星巡る方舟