日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「逃亡くそたわけ」


 絲山秋子著・講談社文庫

 「どうしようどうしよう夏が終わってしまう」軽い気持ちの自殺未遂がばれ、入院させられた「あたし」は、退屈な精神病院からの脱走を決意。名古屋出身の「なごやん」を誘い出し、彼のぼろぼろの車での逃亡が始まった。道中、幻聴に悩まされ、なごやんと衝突しながらも、車は福岡から、阿蘇、さらに南へ疾走する。(背表紙のあらすじより)


 ロードノベルというジャンルになるのかな。躁鬱病で入院中の花ちゃん(21歳)は、「亜麻布二十エレは上衣一着に値する」という幻聴に悩まされる。資本論の一節らしいけど、私資本論読んだことないから初めて聞きました。花ちゃんも何故この声が聞こえてくるのかわからない。でもこの声が聞こえてくると必ず調子が悪くなる。
 そんなある日、病院の中で名古屋生まれをひた隠しにしていたがひょんなことからばれてそれ以来「なごやん」というあだ名になってしまった男を誘い、病院を抜け出してあてのない旅に出ることになる。


 この二人の掛け合いが本当に病気?と思うくらい軽い。いや単に軽いだけなら躁状態だからとかいう事で片付ける事も出来ますが、多少突飛な行動はするものの、ちゃんと自分の状態が判っているから、病気の2人であることを忘れてしまいます。


 ロードノベルというのは、大体の場合最終的に何かをつかむ自分探しの旅である場合が多い。この物語も明確に記していないものの、病院で過ごすよりも明らかに2人の状況は快方に向かっている。
 入院してたり薬を飲んでいるから心の病と診断されるけど、人間なんてどっかねじが緩んでいる。どんな小さなことでも自分のやることを見つけることがやっぱ大切なんだと思うのです。


 あんまし感想になってないけど、なんか作者がいとしているものと違うかもしれませんがそう感じました。。。

逃亡くそたわけ (講談社文庫)

逃亡くそたわけ (講談社文庫)