日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「心をあやつる男たち」

心をあやつる男たち (文春文庫)
 福本博文著・文春文庫

 BOOKOFFで何気に手に取り購入。読み始めて昔読んだことを思い出しました…。私、18歳の頃から日付と書名だけですが読書記録を付けていて、それを見て発見しました。。


 1960年代の高度成長期、管理職研修として注目されたST(センシティビティ・トレーニング)というのがアメリカから入ってきました。参加した者は数日の合宿研修で、見違えるように明るく前向きになっていきます。しかしその一方で心を病んでしまったり、果ては自殺をする人まで現われてきます。研修の中身は秘密にされていましたが、実は、徹底的に自分を否定することから始まり、<チェンジ体験>という今までの価値観を180°転換させる、洗脳の手法でした。
 しかしその手法が短期間での成果を求めるあまりに、どんどん過激になっていき、暴力すら要因するようになっていきます。そうすると研修所からの脱走、暴力による大怪我などで一気に社会問題化、セミナー主催者の逮捕と、石油ショックが重なり、研修は一気に下火になって行きます。


 その後、1980年代後半、今度は企業研修ではなく個人参加を中心として沢山の人数を一気にヤル気にさせる「自己啓発セミナー」が爆発的に流行り出します。私が丁度社会人になったばかりの頃の事です。同じ支店に配属された同僚がまんまとこの「自己啓発セミナー」にハマり、研修から戻ってきた彼の軽い躁状態に正直ドン引きでした。

 「自己啓発セミナー」は、過去のSTセミナーを踏襲しながらも、マルチ商法の手口を利用して「ベーシックコース」修了者を次の受講者勧誘に巧みに利用します。<洗脳>された修了者たちは疑う事もなく高額なセミナー料を支払う新たな生贄を”ボランティア”で探すようになります。胡散臭さ全開です。
 幸いこの手のものに疑問を持っていた私は、一瞬ターゲットになったけど上手く逃げおおせることができました。


 大体、悩みが一瞬で吹き飛んだりとか簡単に悟りを開いたり出来れば苦労はしません。そういう悩みは、自分は本を読むことで解決してきました。でも安易にノウハウ本とか自己啓発本とかは読みません。自分の悩みを解決してくれるのは、小説であったりノンフィクションだったりします。解説本答えが書いてあるので、一瞬分かった気になりますが、後に残りません。普通の小説とかは、登場人物に感情移入することで追体験が出来、「私だったらどうするか、どう思うか」と常に問いかけながら読むことで、自分の血肉になっていきます。遠回りかもしれないけど、そうすることで回答が定着すると思うのです。

 時間がないからといって安易に回答を求める事勿れ。
 そう思っていれば、こういう怪しい者いは引っかからないもんです。
 まぁそれ以前に何十万円も参加費を取るセミナーに参加する余裕なんか昔からありませんでしたけど(^-^;)。

 皆さんも充分気を付けて。
 

 

心をあやつる男たち (文春文庫)

心をあやつる男たち (文春文庫)