日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

何故人を殺してはいけないか。

 
 毎日のように殺人事件があって憂鬱になる。
 「何故人を殺してはいけないか」この問いに対して、「いけない事はいけない」というのは答えになっていない。この答えをしっかり持っていないから、安易に人を攻撃して、そして殺してしまう。多くの大人がこの問いをしっかりと考えて、拙くてもいいから自分の想いを子どもに伝える事が大切で、それが大人の役目であると常々思っています。自分ならどう答えるか。

 2つのドラマでのセリフが私の考えにすごく近いので紹介します。

 ひとつは、2005年NTVのドラマ「女王の教室」の最終回で主人公の教師、阿久津真矢(天海祐希)が、この問いに対してこう答えています。
 以前いた学校で、真矢は生徒に暴力をふるい、教職員再教育センターに異動していた。その理由を子どもたちに答える中での言葉です。



「その子が私にこう言ったからよ。『なぜ人を殺しちゃいけないんだ』って。その子は、頭も良くて、運動も出来て、体も大きかったから、クラス中に恐れられていたの。事実その子のターゲットになった子は次々と苛められて、自殺未遂をする子までいた。でもその子は反省もせず、こう言ったの。『なぜ、人を殺してはいけないんですか。』そう質問すれば、大人がちゃんと答えられないと知っていたのね、彼は。だから私は、彼に教えたの。『他人の痛みを知れと。みんな、自分と同じ生身の人間なんだ』と。『どんな人にも、あなたの知らない、素晴らしい人生があるんだ』と。一人一人の人間の持つ家族や、愛や、夢や、希望や、思い出や、友情を奪う権利は誰にもありません。残される遺族の、苦しみや、痛みや、悲しみを与える権利も誰にもありません。 だから人を殺しちゃいけないんです。あなた達も、過ちを犯すかもしれないから、肝に銘じておくことね。犯罪を犯した人間は、必ず捕まります。逃げることが出来ても、一生その呵責に苦しみます。周囲の人間からは見放されます。死ぬまで孤独です。もういいことは一つもありません。 二度と幸せになんかなれません」

 冒頭、何故勉強するのか?という難しい問いにも簡潔明瞭に答えています。


 もうひとつ。2009年のNHKのドラマ「リミット刑事の現場2」で武田鉄矢演じる梅木刑事が無差別殺人を犯した青年に対して取調室でこういいます。


「人間は生きているうちに殺したいほど憎い奴に出逢うことがある。だが普通の人は殺さない、殺せない。こいつにも親がいる。こいつにも惚れた男か女がいる。そう思うとそいつが人間に見えて、だから人間は人間を殺さない、そして殺せない。だがこいつは違う。こいつは憎くもない人を弱い人を選んで刺し殺した。何故そんなことができたか。それはこいつが、人間じゃないからだ。おめぇもしっかり踏みとどまって、戦え人間なら!!といっても、もうおめぇには遅いか。おめぇはよ、みんなの為に死んだ方がいい、バーカ。」(「おいおめぇ何言ってんだよ、人権侵害だろがよ!!」と取り乱す青年)「おめぇに人権なんかねぇ!」


 武田鉄矢の演技も相まって、金八先生の「卒業式前の暴力」に匹敵する名シーンだと思います。


 あの殺人を犯した少年や教え子を殺した先生が、もしこれらのドラマを見ていたら、もしかしたら人の命を奪うなんて事をしなかったかもしれない…。


 私たちは、「何故人を殺してはいけないか」という問いを常に自分に問いかけ、その答えを持つことが、殺す事は無いにせよ、他人の人生を尊重する生き方に繋がっていくと思うのです。
 

(両番組ともDVD化されてました)