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触身仏―蓮丈那智フィールドファイルII

 
触身仏 蓮丈那智フィールドファイル? (新潮文庫)
 北森鴻著・新潮文庫

 蓮丈那智フィールドファイル2冊目。表題作「触身仏」他「秘供養」「大黒闇」「死満瓊」「御蔭講」の5編を収録。
 ミステリなので殺人事件は起こりますが、殺人の謎解きよりも殺人のモティーフとなる伝承・伝熱の謎解きの方が面白いところが、犯人探しミステリが嫌いな私でも面白く読める所以です。
 クールビューティな蓮丈那智センセーが好みだということも理由です。知的でクールな女性って惹かれます。
 私、上代文学専攻だったんで卒論のテーマも記紀の中の異郷神話を紐解くみたいな内容。100枚ちょっと書きましたけど、所詮大学生の手慰み、今となっては赤面モノで内容なんか殆どない。記紀神話って、民話や伝承伝説に姿を変えて残っていて、ゼミ室には折口信夫全集とか柳田国男全集がありました。
 そういう経歴もあるので、民俗学を生業とする蓮丈那智の物語は非常に近しい興味の題材です。

 今回の物語も海幸彦・山幸彦の物語(死満瓊)や藁しべ長者(御蔭講)天照〜素戔嗚〜大国主の国譲りの話(大国闇)など特に神話色が濃かった。
 時の政権によって自分たちの都合のいいように改竄される公式と呼ばれる物語よりも、民話や伝承にこそ本質が眠っているという意見には賛成です。

 
 なんかまた上代文学の勉強したくなってきたw

触身仏 蓮丈那智フィールドファイル? (新潮文庫)

触身仏 蓮丈那智フィールドファイル? (新潮文庫)