日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「三陸海岸大津波」

 
三陸海岸大津波 (文春文庫)
 「シン・ゴジラ」を観たのでその感想を書こうと思ったんですけど、まだ封切3日目でネタバレを避けられそうもないのでしばらくしたら書きます。


 吉村昭著・文春文庫  
 今日読んだ「三陸海岸津波」、初版は1970年。その後84年に中公文庫、04年に文春文庫に。そしてあの東日本大震災後に注目されて増刷されました。
 吉村昭は一時結構読んでいたんです。黒部第三発電所建設の際のトンネル堀りの話「高熱隧道」とかすごい面白かった。
 震災後にこの本が平積みにされていて読みたいと思っていたのですが、あの頃ボランティアに行っていて、震災関連で商売をするということに違和感というか嫌悪感を感じて読んでいなかったんです。で、5年経って手に入れてやっと落ち着いて読むことができました。

 この本は吉村昭が収集した三陸海岸津波災害の中で、明治29年、昭和8年、そして昭和35年のチリ地震による津波の3つの津波について、記録されたものや、当時の生き証人にインタビューをまとめたもの。昭和35年であれば、刊行から10年、昭和8年でも37年前だから実際に被災された生存者がいらっしゃる。こういったお話しを記録しておくことってすごく大切だと思う。

 でもこういう記録があっても、さらに言えばどんなにすごい体験をしても、また同じような悲劇が生まれてしまう。津波があって低いところに住んじゃ駄目っていっても、のど元過ぎれば熱さ忘れて、海岸沿いに住みだす。1世代に1回程度の災害のために日々の生活を犠牲にできないという甘さがどうしても出てきてしまう。漁業をやる上で海の近くに住んでいたほうが楽かもしれないけど、今は昔と違って車もあるのでなんとでもなるでしょう。どうか昔住んでいた土地に拘らないで、高台に全町移転をして欲しいと思います。

 日本にいて安全なところなんてない。先人の経験を無駄にせず大切に胸に刻み対策を立てることが、まずは今を生きる人たちがすべきことだと改めて思いました。
 

三陸海岸大津波 (文春文庫)

三陸海岸大津波 (文春文庫)