安藤健二著・彩図社(文庫)
安藤健二さんの著作は、「封印作品の謎」からほぼすべて読んでいます。今回は、「封印作品の謎」からウルトラセブン12話『遊星より愛をこめて』、怪奇大作戦24話『狂気人間』、映画『ノストラダムスの大予言』「同2」から『サンダーマスク』「封印作品の憂鬱」から『日本テレビ版「ドラえもん」』を抜粋したアンソロジー。
新しい情報が追記されていることはありませんが、一番ショッキングだったのは、あとがきで安藤さん自身が筆一本で生活していくのはままならず、フリーのノンフィクション作家から再度就職していたことを告白していたこと。
丁度この前に読んだ「夢を売る男」が、出版業界の大変さの物語だっただけに、やっぱ現実もその通りでいくら、著作を持っていても再版されなければ収入にはつながらないし、常に新しい本を書き続けなければならないという…。
「ウルトラセブン」であった、使われ方は違いますが、「血を吐きながら続ける哀しいマラソン」のようです。
まして、安藤さんのように長い時間をかけて関係者にインタビューして裏を取っていく作業を積み重ねないといけないこの手のノンフィクションは、更に上梓するまでに時間が掛かる。大ベストセラーにでもなれば別ですが、内容的におたく向け、ニッチな話題が多く、その間収入なしでは、生活的にやっていけなくなります。
"そういえばこの作品ってなんでソフト化されないのかな"という素朴な疑問を徹底的に掘り下げた安藤さんの姿勢には、一読者として頭が下がります。願わくば1作でも封印が解かれソフト化されますように。
新作は期待できないでしょうが、できれば再刊時に新しい情報があると嬉しいです。うーんでもまた会社員になっちゃったら取材は厳しいか…。
でも今回「テレビアニメ、特撮編」ってことは、売れ行きが良ければ「キャンディキャンディ」や「ブラックジャック」とかを再編集して「漫画編」出るのかな。であれば、印税75円は安藤さんの今後に少しでも期待を込めて献上いたします。しかし、1冊売って75円か…。本屋さんに平積みになってたけど、初版5万部くらいは刷ってるのかな。

- 作者: 安藤健二
- 出版社/メーカー: 彩図社
- 発売日: 2016/10/17
- メディア: 文庫
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