高校の文芸部の分科会から始まったGENKENが、会員の平山圭子の父という後援者を得て、渋谷道玄坂に新しい事務所を構える。講演活動により、会員が日増しに増えていく。会員が増えてくれば、色々な思惑の人が増えてきて買いとしてのまとまりはなくなっていく。丈は自分が思ったような人が集まってこないことにいら立ちを覚え始める。
丈の最初の理解者、久保陽子はそんな会の在り方と丈への複雑な想いから会から遠ざかっていく。その一方で、丈の事を"東君"と言い続ける井沢郁江が存在感を増していく。この巻の最初の事件も丈と郁江が道玄坂の事務所に向かう時に起きた。スケ番グループに絡まれた郁江。そのリーダーが木村市枝だった。
前巻の田崎宏、久保陽子と並ぶ幻魔大戦ワールドの重要人物、木村市枝が丈に出逢います。もともとはいい子だったのに、弟、明雄の難病、進行性筋萎縮症をきっかけに親が新興宗教にハマり、騙され家も金も巻き上げられて家庭が崩壊寸前。新興宗教を憎む市枝が、丈にコンタクトをとって潰してやろうとするが、丈は反対に市枝の心を癒し、明雄の病気を治してしまう。
派手なサイキック小説から、ディベート小説になってきていますが、それでもまだ丈がヒーラーの才能を開花させ、襲ってきた不良どもや次巻では怪しげな行者を撃退するのにも躊躇なくPKを使う。まだどっち方面に行くか揺れている感じの巻です。ここからクリスマス講演会までが角川幻魔のクライマックス。
- 作者: 平井和正
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2014/12/03
- メディア: Kindle版
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