室積光著・小学館文庫
「史上最強の内閣」の続編。(前作の感想はこちら→http://d.hatena.ne.jp/hee/20150727)今回は、教育改革に取り組む。著者の室積光さんは金八先生では保健体育の先生(伊東先生)でしたので、教育問題については一家言あると思いましたがこうきましたかw
今回は影の内閣である二条内閣は表に出ず、文部大臣の新門辰郎が主人公。大阪の町本知事から、大阪が全国統一学力テストで最下位になったことから教育改革をするにあたり、二条内閣にお知恵拝借ということになる。内閣として前面に出ることはできないけど、新門大臣のみが個人として協力をすることに。途中、北朝鮮では将軍が亡くなって世代交代したり、この教育改革に対して、団塊世代の代表のようなTVジャーナリストがかみついたりしますが、新門大臣は深淵をもって教育改革を進めているのでびくともしません。
勿論フィクションでこういう教育改革が現実にはできないんでしょうけど、あらゆる提案に納得がいくのはそれが正論だからです。自分が教育について思っていたこと、団塊の世代に対して思っていたことが、ここに正解として出てくるのは小気味いいことこの上ない。
本筋に関係ないけど、1週間は月・火・水・日の4日間、1ヶ月は全部30日というカレンダーはよいなぁと思いました。3日働いて休みっていうのは、5日働いて2日休みよりも全然健康的。毎月30日っていうのもわかりやすい。
外国の曜日と合わなくなるのが唯一の難点だけど、そもそもなんで外国の暦に合わせにゃならんのか。勿論グローバル時代には便利だと思うけど、神が6日で世界を作って7日目にお休みになった。なんのこっちゃです。挙句の果てに、エジプト歴では、偶数が小の月(30日)、奇数が大の月(31日)なので8月は偶数付きだから小の月(30日)のはずが、アウグスゥス(augustの元ね)が、シーザー(ユリウス(英語でジュライ・July))に負けてる感じがするので、8月も31日にしちゃった。でもそれだと大の月が3つ並んじゃって座りが悪いので、ついでに、以下の月の順番を入れ替えて、9月を小、10月を大、11月を小、12月を大って、もうなにがなんだか。更にそうすると、合計が365日にならないので、2月を減らして28日にして日数を合わせてしまったつー、なんともいい加減な理由で西洋の太陽暦はできています。だったらこの週4日の方が合理的。
今子どもの教育に自信を無くしている大人、特に教員、教育関係者には是非読んでほしい政治パロディ小説です。あ、難しい事を考えずに舞台となっている鳩山〜菅内閣の体たらくに大笑いできる爆笑小説です。前作「史上最強の内閣」と一緒にお勧め。

- 作者: 室積光
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/05/08
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る
前作「史上最強の内閣」↓

- 作者: 室積光
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/03/06
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (12件) を見る