日本アカデミー賞は大手持ち回りだとか、出来レース、内輪で盛り上がるなど、今回第40回の記念すべき回なのに相変わらずいまいち盛り上がりに欠けます。私的には批判される理由はわかるけど、それでもノミネートされた作品はやっぱりいい映画が多いし、技術賞を設けて映画に携わる技術者を表彰する唯一の賞として存在意義のある賞でもあり注目もしています。
今年の最優秀賞受賞は以下の通り
最優秀作品賞 「シン・ゴジラ」
最優秀アニメーション作品賞 「この世界の片隅に」
最優秀監督賞 庵野秀明(総監督) / 樋口真嗣(監督)「シン・ゴジラ」
最優秀脚本賞 新海誠「君の名は。」
最優秀主演男優賞 佐藤浩市「64-ロクヨン- 前編」
最優秀主演女優賞 宮沢りえ「湯を沸かすほどの熱い愛」
最優秀助演男優賞 妻夫木聡「怒り」
最優秀助演女優賞 杉咲花「湯を沸かすほどの熱い愛」
最優秀撮影賞 山田康介「シン・ゴジラ」
最優秀照明賞 川邉隆之「シン・ゴジラ」
最優秀音楽賞 RADWIMPS「君の名は。」
最優秀美術賞 林田裕至 / 佐久嶋依里「シン・ゴジラ」
最優秀録音賞 中村淳(録音) / 山田陽(整音)「シン・ゴジラ」
最優秀編集賞 庵野秀明 / 佐藤敦紀「シン・ゴジラ」
最優秀外国作品賞 「ハドソン川の奇跡」
見事に「シン・ゴジラ」一色といっても過言ではない内容でした。いまだに怪獣映画という色眼鏡で見ている人にとっては??な結果だと思いますが、興行的にも内容的にも今年この期間(前々年12月初から前年11月末までの1年間)での最優秀作品に相応しい作品だと思います。
「シン・ゴジラ」は日本アカデミー賞以外にも、
第90回キネマ旬報ベスト・テン 第2位
第71回毎日映画コンクール 日本映画大賞
第59回ブルーリボン賞 作品賞 などなど、まさに日本映画賞総なめ。
最優秀アニメーション作品賞が「君の名は。」ではなく「この世界の片隅に」が選ばれたのにも良心を感じます。興行成績や観客動員数でいえば、明らかに「君の名は。」なんだけど、あえてそこで独立単館系から徐々にシネコンを巻き込んでいった「この世界の片隅に」のムーブメントは、新しい可能性を感じました。