池井戸 潤著・中公文庫
TVドラマにもなった花咲舞シリーズ2冊目。TVドラマは、池井戸作品の他作品も翻案しており、純粋に花咲舞シリーズとしては2冊目。
前作(「不祥事」)から13年、途中TVドラマ版を挟んでいる為かキャラクターが舞=杏、相馬=上川、芝崎=塚地に寄った感じになっていたような気がします。最もTVでの舞の決め台詞「お言葉を返すようですが」は出てこないし、TVオリジナルキャラクターの舞の父(大杉漣)も出てきません。
臨店で支店の不祥事を白日の下に晒す舞と相馬ですが、更に銀行の闇に切り込むことに。間の悪いことに産業中央銀行との合併話も持ち上がり、舞たちが暴く不祥事が合併に不利になるとして、次々に隠蔽指示がされる。さすがの臨店班も暴ききれず、舞のフラストレーションはたまるばかり。そこに登場するのは、合併先である産業中央銀行のあの男。合併後の東京中央銀行で大阪西支店融資課長になり、数々の困難に立ち向かう半沢直樹その人。ほんの少しの出番ですが、半沢らしい正義感で物語を納めます。
正義感の点では舞も引けを取りません。ほぼ同期くらいの舞と半沢が絡む物語も見てみたくなりました。
これまで花咲舞絡みの作品は講談社文庫で出ていたのですが今回は中公文庫。でくれば版元合わせて欲しかったかな。
- 作者: 池井戸潤
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/09/05
- メディア: 文庫
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