大庭 佳奈子著・文芸社文庫
著者の大庭さんは、10代で家出をし、スカウトされグラビアアイドルに。その後キャバクラ、ヘルス、そしてソープと絵にかいたような風俗遍歴をする。
「風俗依存症」というタイトルから、風俗にハマった男の話かと思った(^^;)。
どこのお店でも常にナンバーワンを目指し、事実ナンバーワンになっていくのは、すごい。なんの才能もないから風俗しでしか働けないと卑下していますが、どんな世界でもナンバーワンになるのは単に才能だけではない。
ソープで、タオルをちゃんと畳むとか、興味のない映画を見たり、本を読んだりするのも、お客さんに合わせた会話をするための基礎知識だったという。プライベートでは好きな香りの香水をつけるけど、仕事に出る時は源氏名を使い、好きではない香水をつける。
こんな生活はよくないと、何度も店を辞め別の仕事に就くがすぐにソープに戻ってしまう。そんな彼女を病魔が襲い、そこで知り合った人と結婚をすることに。
風俗の世界に入るのは簡単だけど、そこは蟻地獄のような世界。常に戻りたいという誘惑にかられるそう。それはそうでしょう。1回9万円、月収500万円のまさにあぶく銭。若さと美貌を切り売りして得た代償にしては子宮癌は重すぎる。
職業に貴賎なしというけれど、風俗やAVはどうしても色眼鏡で見られるし、もし自分の彼女や妻が性産業にいたということ知ったら平然としているられる自信はやはりない。
これだけAVが氾濫して、ソープやヘルスだけじゃなくキャバクラその他風俗産業がそこかしこにある今、通勤電車の隣にいるOLがそういう秘密を隠し持っているのかもしれない…。
【文庫】 風俗依存症―私が本当の居場所を見つけるまで― (文芸社文庫 お 2-1)
- 作者: 大庭 佳奈子
- 出版社/メーカー: 文芸社
- 発売日: 2011/06/02
- メディア: 文庫
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