「ハゲタカ」以来、真山仁は注目の作家さんです。基本読み応えのある長編作家さんですが、「プライド」は初めての短編集で7つの作品(最後の「歴史的瞬間」はわずか3頁のショートショート)。
稲作、医療の現場、養蚕、洋菓子の賞味期限、政治、養蜂と、テーマは違えど、プライドを持って仕事をする者を主人公にしたお話しです。初刊は平成22年(2010)。民主党政権真っ只中で、事業仕分けで埋蔵金発掘に躍起になっていたことも反映されている。
民意反映と鳴り物入りで始まった事業仕分け。確かに一部は本当に官庁の無駄を発見することもできたけど、将来に向けて必要な研究や工事を近視眼的に凍結、廃止をすることで国力が弱くなったことは否めない。
官僚ってすくなくともとっても難しい試験を通っているわけで、中には悪い人もいるかもしれないけど、一般庶民とは違う"国家百年の大計"を考えて国家づくりの礎となっている人も決してk少なくないと思う。
どんな仕事であっても、誰からも評価されなくても、一番正しいと思うことをプライドを持って事に当たることは大切。
プライドとメンツって似て非なるもの。
よく「メンツをつぶされた」と言ったりしますが、メンツはつぶれるかもしれませんが、プライドはつぶれません。下手なメンツを保つのに汲々とするよりもプライドを持って生きていくことが大切だと改めて気づかされました。
短編集ですが、長編で読みたい作品ばかり。長編化希望します。

- 作者: 真山仁
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/07/17
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る