平井和正・ハヤカワ文庫JA
先日の「生頼範義展」で先行発売されていたのをGET!もちろん表紙、挿画は生頼範義。
初刊は1971年ハヤカワSF文庫。もともと「ぼくらマガジン」連載漫画「ウルフガイ」(画/坂口尚)の原作を小説化したもの。
1971年って、今から47年も前。私が初めて読んだのは17歳くらいだから今から35年前に旧版のハヤカワSF文庫で読みました。そして一挙に虜になり、ハヤカワ版で「狼の怨歌」を読み、実は続編は新書版のNONNOVELで出ていて、再度NONNOVELで「―紋章」から読み直し「レクイエム第2部」まで。しばらくして、角川文庫に収められまた再読。数年後心待ちにしていた「レクイエム第3部黄金の少女」がハードカバーで出るのをきっかけにまた「紋章」から再刊。決定版なので当然購入。しかし「―黄金の少女」はハードカバーでは途中まで、その後トクマノベルスで最後まで収録(全5巻)、そして最終章「犬神明」(全10巻)で完結する。
かように長い付き合いの"ウルフガイ"ですが、まさか再度新版が発売されるとは。それだけの名作であることは間違いありません。
不死身の身体を持つ狼男(ウルフガイ)、犬神明が博徳学園に転校してくる。この学校は不良の巣窟で博徳ならぬ悪徳学園とよばれており、暴力団と東明会会長の息子羽黒獰を中心とした不良グループが跋扈していた。
転校前に街中で不良グループに絡まれ、挙句の果てにナイフで刺された犬神明を見かけた教師青鹿晶子は、犬神明に惹かれていく。犬神明は、周りの人間とかかわらないようにしているが、存在そのものが暴力を引き寄せてしまう。
若い頃ウルフガイシリーズを読んで、私もかなり感化されて"人間嫌い"になりましたねぇ。そして狼の崇高さを同時に知りました。
「―レクイエム」第2部までは本当に面白かったのですが、万を持して書かれた「黄金の少女」篇は、いつになっても犬神明は活躍せず、更に描かれた完結篇、タイトルは「犬神明」ですがなんだかダラダラと長くいまいち乗り切れずに終了しましたっけ…(^_^;)。
せっかく「―紋章」再刊されましたから、このままこの版型で「犬神明」まで出てくれれば再読いたしますので早川書房さんよろしくお願いいたします。
あ、過去読んだことのある人は、内容はまったく変わっておりませんので私のようなもの好き以外は買わなくても良いかも。もっとも字が大きくなっているのでずいぶん読みやすくなっていますので、お勧めではあります。
もちろん、読んだことのない人は一度読んでみてください。次の「狼の怨歌」まで読むと"ウルフガイワールド"に取り込まれる事間違いありません。
さ、続き読も。
- 作者: 平井和正
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2018/01/10
- メディア: 文庫
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