日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

「20世紀少年」

20世紀少年(ビッグコミックス)全22巻+21世紀少年 上・下
 今更通して読みました。
 連載中、スピリッツ買っていたので読んでいましたが、過去と現在を行ったり来たり、いつになっても"ともだち"の正体は分からず、伏線が一向に回収されないまま、主人公であるケンヂ不在のまま物語は進行する…と、なんとも好奇心が持続できず、読むのを諦めてました。完結から10年以上経ち、そろそろ読んでみようかと「20世紀少年」全22巻と完結篇「21世紀少年」上下巻の計24巻通勤中に遂に読了。物語の中では、昨年2017年(ともだち歴3年)までの話。

 主人公たちは、学年5個上。私が1年生の時6年生の少年少女の物語。時代的にはほぼリアルタイム。街の風景や遊びはほんとその通りな感じ。
 あの頃って、今と違い同学年でのみ遊ぶ、というよりも近所のおにーちゃんたちと遊ぶことが多かった。自分たちが小学校高学年になる頃には下の学年の子たちとつるむことはなくなりましたが。ちょうどそういった地域のコミュニティが希薄になってきた時期なのかもしれません。
 バラ色の未来を描いた70年万博が終わったとたんに、公害問題、日本沈没(73)やノストラダムスの大予言(73)に代表される終末感、厭世感が蔓延します。TVでは特撮ヒーローものが百花繚乱、悪の組織が世界征服を企んで毎週のようにヒーローにやっつけられてました。
 「仮面ライダーになりたい」「ウルトラマンになりたい」とは、男の子なら誰も1度は夢に見たものです。そういう想いは歳をとるにしたがって幼稚な妄想として忘れていくものですが、実は最近のロボット工学系技術者は「アトムを作りたかった」とか「ガンダムを作りたい」とか、子どもの頃の夢を大人になって叶えようとしているとも言えます。2足歩行ロボットを真剣に研究しているのは日本くらいです。宇宙飛行士もスポーツ選手もみんな小さい頃からの夢に向かって進みそれを叶えている。では、悪の組織に魅入られた子どもがいたら…。
 オウム真理教事件は、背景は異なるものの昔見た悪の組織を現実化したものでした。「20世紀少年」の連載開始が1999年、地下鉄サリン事件が1995年ですから、これも下敷きにしているのでしょう。
 現在や過去の風俗をちりばめて、一つの物語に構成している。別にすべての伏線を回収しているわけでもない。あくまでも一つの仮定として、悪の組織、現実的には、オウム真理教の政府転覆計画が成功していたら的に考えることもできます。オウム実行犯たちの年齢が、ほぼ「20世紀少年」の登場人物とかぶることもこの年齢の人たちの抱える闇が垣間見えます。「20世紀少年」は架空の世界の話ですが、いくつかの歯車がしっかりと噛み合っていたら、現実になってもおかしくはなかったのかもしれません。そう考えると恐ろしい。

 
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