本日、大長編漫画「ドカベン」シリーズ終了にあたっての雑感。とはいえ「ドカベン」よりも「野球狂の詩」の方が好きですが。
大体通勤の行き帰りは文庫本を読んでいるのですが、ここのところスマホで漫画を読んでいます。「沈黙の艦隊」が異常に面白かったのですが、昔途中まで読んでいて最後まで読んでなかったものを読み返したり、衝撃を受けた過去の作品を読み返したり。
で改めて思ったのは、漫画家さんって当然魅力的な絵、キャラクターや構図を決めて、ストーリーを考える。これを全部ひとりでやっちゃうってやっぱすごいわ。小説は文字だけ、映画は、監督が旗振りをしていても、脚本家、カメラマン、俳優さんをはじめ沢山の人の力が必要。いやそれはそれで、沢山の才能をまとめ上げて作品を創る総合芸術だと思うので同列で語るものではないですし、編集者とのやりとりの中でひとりの漫画家さんの頭の中にあった発想を整理してより面白い物になっていたりするのでしょうから、一概にぜんぶひとりとは言えないのかもしれませんが。漫画家になりたかったけど絵が描けないから小説家になったという話もよく聞きます。
それでも、手塚治虫や石ノ森章太郎、松本零士、藤子不二雄両名とか、多作でありながら、駄作がないというのはもう天才以外の何物でもない。最近の漫画家さんは、長編は描けても短編は殆ど描かず、物語の数は少ない。しかも発想が似たり寄ったりなのは残念。人気作を止めさせたくないという編集側の論理もあるのでしょうが、とはいえそれだけの長編作を続けられるというのはやっぱり才能なのでしょう。
漫画と小説とどちらがすごいか、という話でもありません。文章だけで物語を構成して、最後までよませてしまうというのもすごいこと。思うのは、エロ漫画で勃つのは理解できるのですが、エロ小説でも勃たせてしまうというのは逆に小説家の力量としてすごいと常々思っています。あ、ゲスな話ですいません。
読者側も漫画を読むのっていうのもやっぱり才能で、絵からと文字(吹き出し)の両方から情報を読み取るのって、なにげにやっていることでもやっぱり大変な事。頭が柔軟な子どもだからこそできる。歳をとると小説で文字だけを追いかけていた方が楽だったりします。漫画は想像力を奪うとかいいますけど、全然そんなことはありません。小説は、その背景やシチュエーションを創造しないといけないのですが、子どもは社会経験が少ないからやっぱり限界があります。
おっと脱線。
クリエイターとしての漫画家さん、やっぱり尊敬しちゃいます。