本橋 信宏著・新潮新書
本橋信宏さん最新刊。本橋さんの著作は結構読んでいます。「アダルトビデオ 村西とおるとその時代」「裏本時代」「フルーツの夜」など主にアンダーグラウンド系のノンフィクションが特に面白く、最近は「東京最後の異界鶯谷」「迷宮の花街 渋谷円山町」「上野アンダーグラウンド」「高田馬場アンダーグラウンド」が東京の怪しい魅力を活写していてとても興味深く読ませて頂いています。最近netflixでドラマ化された村西徹を描いたノンフィクション「全裸監督」も本橋さんの作品。読みたくて発売すぐに買ったのですが、700頁超のハードカバーの為通勤読書の私的には持ち運びできない為いまだ積読状態。。
「ベストセラー伝説」は、休刊した「新潮45」に不定期連載されていたものをまとめたもの。本橋さんは私の9歳年上なので、本書で出てくるベストセラー本のすべてがリアルタイムではないのですが、かろうじて「科学」と「学習」は学校で売っていたのを知っているし、「冒険王」は70年代後半に何回か買ったことがある。「週刊少年チャンピオン」は「がきデカ」「マカロニほうれん荘」「ドカベン」「750ライダー」「ブラックジャック」の頃は毎号じゃないけど買ってましたね。「平凡パンチ」と「週刊プレイボーイ」は…お世話になりましたw。実は乱歩のポプラ社版「少年探偵シリーズ」は殆ど読んでいません。今みたいな読書好きになったのは中学校以降なんです。なので年齢的に少年探偵団はもう合わなかった。
赤尾の「豆単」は中学時代、高校の頃はABC順でない「試験に出る英単語」「試験に出る英熟語」は受験生必携でした。同じく参考書のベストセラー「新々英文解釈法」「古文研究法」「新釈現代文」はさすがに古く私たちのだいのスタンダードな参考書ではなかったですね。
そして「ノストラダムスの大予言」。当時小学校4年生でもこの大ブームは席巻していました。もうね、34歳で地球滅亡と思ってましたもん。「ちびまる子ちゃん」でもそんな話がありました。勿論全面的に信用したわけではありませんが、それでもしばらくの間(もしかしたらあるかもね)と思ってました。そういう意味では、35歳以降の私は抜け殻ですw
これらベストセラーはどのようにして生まれたのか。そこにはバイタリティ溢れる編集者の存在がありました。チャンピオン黄金期を築いた名編集長の壁村氏は、漫画「ブラックジャック創作秘話」でも破天荒な姿が描かれています。
昭和40年代から60年代の20年間は出版業界にとって百花繚乱、玉石混交の黄金時代でした。恐らくあの時代のベストセラーと同じくらいの超大ヒット作はもう出ないでしょう。
そういう時代にギリギリ間に合うことが出来て本当によかったです。

- 作者: 本橋信宏
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2019/06/14
- メディア: 新書
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