全6回の弓道参段特別講習会の6回目、月1回、半年続いた講習会も今回で最終回。無事皆勤できました。
県内各地から集まった受講者は62名おり、午前一手、午後二手の計3回的前に立つだけですが、高齢の先生はずっと立ったまま、受講者の癖を見極め適切な指導をしていただき、すごく大変だったと思います。
よく「弓手の拳は的に突っ込むように」と言いますが、そうではない。正面打ち起こしで掬い上げた両拳は、その後弓手を的に向かって押し開き、左手は弦に取られるまま自然に曲げる(大三)。そこから左右均等に肩を開きながら矢を口の辺りまで下ろし、納める(引き分け~会)。あくまでも会は”射開き”に向かい継続された状態。”会”では、伸びる事が大切だけどが伸び切ってはいけない。ずっと伸びている状態。”会”は長尺の弓が矢にその力を乗せる為十分にしなり、和弓で最も美しい完成形と言われますが、それを”終点”にしてはいけない。心のありようとしては、張り詰めながら、実は心身とも余裕のある状態。離れは引き分けの延長。自然に逆らわない体勢から生まれる離れは、大離れの上に、両上肢は肩の平行線に一文字に開かれると言うこと。体勢が崩れず両肩関節が締まったままの離れでは、弓手が拳幅約一つ分左に開き拳幅半分ほど斜め下に下がると同時に幾分的の方に伸びた「射開き」となる
”離れ”は軽く、しかし鋭く。
自分の癖を知る事も重要で、数をこなす稽古(数稽古)も大切だけど、1本々々どうして矢がそこに行ったかを考える事が大切です。
緊張を克服することは、弓道に限らず大切なこと。審査や試合において、緊張は最大の敵。私生活でも緊張をすれば100%の力は発揮できません。日頃の練習は、射技の練習だけでなく、いかにして緊張しないで行射できるかも練習です、と。
弓道って、思った通りに行かず、ほんと辛い事が多くて、たまに「なんでやってんだろ…」と思うこともしばしば。
称号者も人間なので、教えるのが上手い人そうじゃない人がいますが、今回の先生方は私的にとてもしっくりきました。勿論まだまだ足りないところは沢山あるのですが、おかげ様でこの半年でずいぶん改善したところがあったと思います。
終日やって3手6射程度ですが、同じ段位の人の射は、同じような間違い、癖があり、悩みどころが一緒なんだよなと思い”見取り稽古”にもなりました。上位者の射を見るだけが見取り稽古じゃないと、改めて思いました。
得るところの多かった講習会も今回で終了。修了証も頂き、後は審査に向けて進んでまいります。
老体(失礼!)に鞭打って、後進の育成をして頂いた恩は、射で返し、弓道界の次代を担える人材になる事も恩返しです。微力ながら一歩づつ頑張ろうと思いました。
半年間の長きに渡るご指導、ありがとうございました。