翻訳ものって殆ど読みません。どうしても言い回しとかが気になってしまい突っかかるのと、日本人の名前じゃないと憶えられない。なので日本の作品であっても、西洋風の名前の登場人物ばかりの作品は苦手。
そこで、明治の作家はどうしたか。
「フランダースの犬」のネロとパトラッシュが 清(きよし)と斑(ぶち)…(^_^;)。挙句の果てに、最後、ネロが天に召される場面も、生き返ってハッピーエンド。いやいや…。
海外の情報も潤沢に入ってくる時代と違って、明治、大正の頃は海外の風景、風俗なんて何もわからない。それこそ涙ぐましい努力をして、海外文学を紹介していたのでした。
そんな時代の海外文学翻訳事情を紹介した本です。
何事も道を切り開いていくのは大変な事。
海外の文学に触れた人が、どうやったら日本人に紹介できるかを考え、苦心惨憺した状況の一端に触れることができました。
- 作者:鴻巣 友季子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/10
- メディア: 新書