弓道では2本の矢(甲矢・乙矢/はや・おとやといいます)を射るのが基本で、これを一手(ひとて)といいます。昇段審査とかは実技で一手を射ます。
これを2組もって射ることを「四矢(よつや)」といいます。試合とかでは、四矢1回もしくは2回の4本乃至8本をやって勝敗を決めることが多いです。
4本をすべて的に中てることをを「皆中(かいちゅう)、もしくは四矢皆中(よつやかいちゅう)」といい、これができると、公式試合中でも、観客から拍手が貰えます。数百人が出る試合でも四矢皆中が出るのは数えるほど。
特にギャラリーが多く、入賞がかかる試合の緊張感は半端ない。先生をはじめ観客の皆さんにも射を見られる。
練習であっても一緒で、観てる人は少ないのですが、一番は自分のこころ、精神状態。3本目が中った時に、「残り1本中てたら”皆中”じゃん」と思ったらもうダメ。まず中りません。
中てようとすると中らない。中てようという意識を無くさないとまず中らないという一見矛盾したことがこの四矢最後の1本で起きます。
一手(2本)中ることを「束中(そくちゅう)」、束(そく)るといいます。これは結構出ます。でも皆中となるとなかなか出ない。
コロナ禍の影響で4月以降締まっていた弓道場が再開したのが6月で、以来ほぼ毎週土日を練習にあてていましたが、いつまでたっても皆中が出ませんでした。
自粛中はゴム弓(練習用道具)を毎日やっていましたが、ゴム弓の強さは7~8kg、筋力は落ちていたらしい。何もしないよりはましですが、要はシャドーボクシングみたいな状況です。家では中る感覚は練習できません。
3中は結構あったのですが、結局400射近くやってやっと本日皆中することができました。
弓道は中ればいいってものではないことはわかっていますが、やっぱり中らない射は弓ではないと思っています。
審査もない、試合もない中で今やっている稽古は、いかにして正しい射を身に付けるか。正射必中。正しい射は必ず中るのです。
実は正しくない射も中るのですが、確実に中る美しい射は、やはり正しい射。
さ、やっとスタートラインに立ちました。
これからも練習を重ねて、正射必中を目指します!