久しぶりの全世代を巻き込んだ話題作。公開僅か17日間(1日まで)の興行収入が157億9936万5450円、動員数が観客動員1189万1254人を記録していて、既に歴代10位にランクイン。このままロングランが続けば、興行収入第1位の『千と千尋の神隠し』(308億円)を越す勢いです。
原作は終わっているとはいえ、絶賛公開中の為にネタバレをしないで感想を。。
まず映画としての評価でいうと、私的にはさほど高い評価ではありません。その理由は、あくまでも、TVシリーズの続き、原作の1エピソードの映画化の為、この映画1本だけ、なんの予備知識もなく見たのでは、意味不明な事が多いという事。「バックトゥザフューチャー2」だけ、「スターウォーズ帝国の逆襲」だけを観ても面白さの半分も理解できません。そういう意味で、この映画を高く評価することはできません。
とはいえ、TVシリーズを全部観てからこの映画を観ている人ばかりでは、これだけのヒットにはならないことを考えると、それは私のこだわりってだけで、あんまし気にしなくてよいポイントかもしれません。
今回の映画となった”無限列車編”は、疾駆する機関車での鬼と鬼殺隊との闘いですので、題材的には大きなスクリーンで見ると迫力がある映画向きとも言えます。
「鬼滅の刃」は、バイオレンスシーンが多いにもかかわらず、そのマイナスイメージを強調されることなく、炭治郎君をはじめ、鬼ですら悲哀と優しさを兼ね備えたキャラクターたちの一生懸命さが際立っています。
セリフのひとつひとつも心に響く言葉が多く、親が子供に言われたい、言ってみたい、子供が親に恥ずかしくて言えない、先輩に言いたい、言われたい言葉で溢れています。その言葉の力が、老若男女の観客が詰めかけている要因の一つではないかと思います。
漫画は既刊22巻を読んで臨んだので、無限列車前後のお話しも、もちろん知っていますが、圧倒的な映像というところもよいポイントです。
細かいところで、ネタバレにつながるので詳しくは言えないのですが、最後の方で、柱たちに敵との戦闘の結果を、伝達係の鴉(鎹鴉/かすがいがらす)が他の柱たちに伝えに行くカットで、鴉が泣いていました。これは原作では、ただカラスは飛んでいくだけでアニメオリジナルの描写。このシーンはやっぱり泣けました。
連休の谷間とはいえ平日なのに1個飛ばしで451席中220席が満席。コロナの影響で授業時間が足りないから今日は学校は通常登校の筈なのに小中高校生がちらほら。
いやいや、何ともすごい人気です。