異世界転生や過去にタイムスリップしても何の役にも立たない自信があります。
最近、30年も仕事をしていて何も生み出していないことに愕然とします。ものを右から左に動かすことで、利益を生み出す。そういうことが嫌で、メーカーに転職しました。それでも結局営業職でやっていることは以前と変わりません。
営業に意味がないとは思いません。生産者がよりよいものを生産をすることに集中し、それを正確に消費者に伝え広く流通させること、それに特化した業種と考えれば仕事としての意味はあるのでしょう。消費者の意見を間接的に伝える役割もあります。
両者が十分理解しあって生産者から消費者に物が届くことが理想ですが、今の社会は、生産をする側よりも売る側の意見が重要で、消費者の意見という”錦の御旗”を掲げて生産者がそれに振り回されている気がしてなりません。
生産者と消費者を仲介する営業が、力を持ちすぎていることに危惧を感じます。ものを右から左に流すだけ、というといいすぎかもしれませんが、営業利益を出すために生産者に無理をさせる。果たしてそれは正しい事なんでしょうかねぇ。
営業で収入を得ている自分が言うのも矛盾ではあるのですが、ものを生み出さない仕事が幅を利かせる社会はどこか歪みがあるような気がします。
しかもそれに疑問を持たない人が会社の中で管理職、経営者となっていく。
今いる会社は、比較的に製品に自信があり、製品として間違いのないものを市場に送り出す社風のある会社、基本的に嘘のない会社と自負していますが、それでも営業って無力だよなって良く思います。
例えば中学を卒業して職人の道に入っていたとして40年。今から始めてもそこまで極める時は95歳。中卒へ始めている人は80年の経験ということになります。
とはいえ、今から職人になれるかというと趣味程度にやるならともかく、絶対に無理です。なんという無駄な人生を送ってしまったんだろう。
もっとも、元が不器用なので、職人の世界に入ったとしても大成はできなかったと思いますが…。
今の人生はなるべくしてなった、ということなんでしょうねぇ。