梅原克文さんの作品は20年くらい前にハマり、「二重螺旋の悪魔」「ソリトンの悪魔」「カムナビ」を読みました。元々寡作な作家さんで、デビューから30年で7作しか書かれていません。この「心臓狩り」も今から8年前に出ていた時に買っていたんですけど、ずっと積んでいてやっと読みました。もともと前述の3作品が長編ながら構成がすごくしっかりしていて、大人向けの苦品だったのに、「心臓狩り」は表紙がジュブナイルっぽくていまいち乗り切れませんでした。
心臓移植をするとドナーの記憶や嗜好まで転移される、という話はよく聞きます。要はそういうお話し。
主人公の雅之は、難病であと端を待つだけという状況だったところ偶然ドナーが見つから心臓移植をすることになる。移植後はそれまでの病弱な状態から完全に復活したまではよかったものの、妙なことを口走ったり、元々辛党で甘いものは受け付けなかったのにやたら甘いものが欲しくなったりする。挙句の果てに不審な人物が現れたのをきっかけに、身体にも異変が生じる。傷が治るのあやたら早くなった挙句、長掌腱筋(この筋肉は親指と小指をくっつけるような動作を行うと、手首に腱が浮き出てくる筋肉)が、突然伸びて剣やアーム状になるに至り、さすがにドナーの事が知りたくなり、ドナーの秘密を探す旅に向かうことになる。
全3巻、あと残り2巻どんな展開になるのかな。
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