「匙を投げる」とは、努力してももう成功する見込みがないと諦めること。
匙を投げるの「匙」は、薬を調合する匙のこと。漢方のお医者さんが、薬をどう調合しても患者の治療方法が見つからず、薬匙を投げ出すことから、治る見込みはないと見切りをつけること、というのが語源です。
尾身茂会長は昨日の参院厚生労働委員会で「今のパンデミック(世界的大流行)の状況でやるのは普通はない。そういう状況でやるなら、開催の規模をできるだけ小さくして、管理の体制をできるだけ強化するのは主催する人の義務だ」と。「開催すれば国内の感染や医療の状況に必ず何らかの影響を起こす。感染のリスクや医療逼迫への影響について評価するのはプロフェッショナルとしての責務だ」とも。
これって、尾身会長がいくら言ってもオリンピックに突き進んでいる政府への最後の苦言だと思います。
尾身会長がここまで明言するのは初めてのことで、つまりは、今まで尾身会長の新型コロナウイルス感染症対策分科会の意見に耳を貸さず、オリンピック開催に突き進んでいる証拠。
もう何を言っても無駄だから、最後にこれだけは言っておく、的な意味が込められていると思います。
オリンピックやるんでしょう。
問題は、オリンピック後また感染爆発が今まで以上に進んで、5回目の緊急事態宣言が全国的に発出されて、今度こそ医療崩壊になる。
ワクチン接種も進んでいますが、そもそもワクチン打てばもう安心、ってわけではないのはインフルエンザで分かっています。新型コロナワクチンがどれくらいの期間有効なのかわかりませんが、変異株には効果がないとかいうことも十分考えられます。
オリンピック。終わりの始まりかも…と考えると本当に怖いです。