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「悪夢のかたち 」

悪夢のかたち (ハヤカワ文庫 JA 21)
平井和正著・ハヤカワ文庫JA
ハヤカワ文庫JA1500番到達記念復刊フェアとして、名作日本SFが復刊されました。
小松左京『果しなき流れの果に』、光瀬龍『たそがれに還る』、筒井康隆東海道戦争』、半村良『産霊山秘録』、眉村卓『司政官』そして平井和正『悪夢のかたち』。日本SF第1世代の作品です。

この中で一番思い入れのある『産霊山秘録』と『悪夢のかたち』を購入。

『悪夢のかたち』は、平井和正の9編からなる初期短編集。平井和正の作品はほぼすべて読んでいますので、当然これも読んでますが、今から40年くらい前になります。
とはいえ、デビュー作の「レオノーラ」だけは、すごく好きで、たまに読み返しています。
 
 ふとしたことで転んだ少女を助けた男は、少女にけがをさせたと勘違いされて周りにいた人々に暴行を受け酷い怪我を負う。その事件の為に心を病み、妹以外の人間を信用できない極度の人間恐怖症、人間不信に陥る。ある時、妹が出張に出かけることになり、一時的に兄の世話をするレンタルアンドロイド派遣を依頼する。人間に似た容姿のアンドロイド”レオノーラ”を最初は近づけさせなかった男は、徐々にレオノーラに心を開いていく。
 しかしレオノーラはあくまでも妹がいない間のレンタル。妹が返ってくると入れ替わりにレンタル期限が終了し、男のもとを離れる。レオノーラといつまでも一緒にいたいと思った男は、解約のその日、衝動的に…。


 人間の攻撃性、邪悪さをこれでもかと描く、平井和正の初期の作品は、読者の心に鋭いナイフをグサグサと突き立ててきます。この頃の平井和正の作品群は「虎の時代」と呼ばれており、これでもかというほど人間の悪を暴いていきます。
 その後ウルフガイシリーズで「狼の時代」となり、死霊狩り(ゾンビ―ハンター)シリーズのあとがきで「人類ダメ小説の終焉」を宣言します。そして「天使の時代」となりライフワークの「幻魔大戦」に至ります。

 初期作品に高校時代に触れて衝撃を受け、自分の中にもある獣性や邪な心に気付いて、生きる意味を考えましたが、ウルフガイ幻魔大戦で、人の中にある善性にも目覚めさせてくれた。ここまで読み続けて初めてよりよく生きることの意味を知ることがで来ました。

 邪悪な心と同時に良き心も一緒に持っているのが人間。どのどちらかだけなんてないはず。それをどう発現させていくかが大切だと、平井和正の小説は教えてくれます。

 『悪夢のかたち』は面白いのですが、これだけを読むとブルーになるので、本当なら時代毎の平井作品を読むのが良いのだけど、kindleなら読めますが、今は殆ど絶版なんですよね。残念。

 さ、今度は『産霊山秘録』読もうかな。
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