日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「第四惑星の悪夢」

 NHKBSでやっている「ウルトラセブン」4Kリマスター。先週は津波の影響で飛び、今日は先週やるはずだった第42話「ノンマルトの使者」と第43話「第四惑星の悪夢」の2本がまとめて放送になりました。なんとも贅沢!

 「ウルトラセブン」の中で、マイベスト3を挙げるとすると、この2本と第8話「狙われた街」です。本放送での記憶はあいまいですが、小学生の頃の再放送でかなり衝撃を受けました。
 何しろ「第四惑星の悪夢」では、ヒーローものなのに異形の異星人も怪獣も出てきません。長じて、ウルトラセブンの後半は予算との戦いで、特撮や着ぐるみの製作にかける予算がなかったと知りますが、当時はそんなことわかるはずもなく。

 お話は、

地球防衛軍が完成させた全自動の長距離用宇宙ロケット=スコーピオン号のテストパイロットにダンとソガが選ばれ、乗船。スコーピオン号はすべて自動制御の為、ダンとソガは20日間の眠りに入る。しかし二人が眠っている間にスコーピオン号は予定のコースを外れ、眠りから目覚めた時、スコーピオン号は惑星に着陸していた。景色や建物などの様子からして、そこは地球の日本としか思えないが、どうも様子がおかしい。警察に逮捕された2人は惑星の指導者=長官のところに連行される。地球にソックリなその星は、人間ソックリのロボット(アンドロイド)が人間を支配している「第四惑星」という星で、スコーピオン号は第四惑星の優れた科学技術によって誘導されたのだという。そしてその目的は地球を植民地にして地球人を自分たちの労働力とするつもりだったのだ。ダンとソガは隙を見て逃亡するが、2人に手を貸した長官の秘書アリーたちが捕まり、処刑される事になってしまった。アリーたちの処刑を阻止しようとしたダンとソガ。そしてダンはウルトラセブンに変身し、第四惑星の主要施設、出撃予定だった地球侵略用のロケット、既に地球に向けて飛び立っていたロケットを次々に破壊していった。スコーピオン号で地球に帰還したダンとソガは悪夢のような第四惑星での体験を語るが、眠っている間に夢でも見ていたのだろうと誰も二人の話を本気にしなかった。

というもの。

一応怪獣図鑑とかでは第四惑星の「ロボット長官」が敵として掲載されていますが、俳優さんの目元を合成しただけ。

ウルトラセブンを見ていて、ヒーローが怪獣や星人と闘わずロケットを破壊するだけってのは、いまだに続くウルトラシリーズの中でもこれ1本だけじゃないかな。
ロボット長官の秘書役でレジスタンスメンバーだったアリー役の愛まち子さんが、エキゾチックな美人ですごく好きでした。上野学園大学を卒業し『夢は夜ひらく / ひとりになりたい』でデビューした歌手だったそう。

最後、地球に戻ったダンとソガの話を夢物語と言って信じないウルトラ警備隊のメンバー。あまつさえ、スコーピオン号実験の成功で極東基地を全自動制御にする計画があるという。すべてを機械に任せることに反対するソガ。
 キリヤマ隊長から休暇命令が出、二人はラフな格好で東名高速にかかる橋の上で、”下駄”を投げて天気占いをする。正確な機械、コンピュータとは対極にある下駄占いがラストシーンとなります。


「第四惑星の悪夢」が作られたのは1968年。今から54年も前。半世紀がたって、今や生活の中でのコンピュータが必需品で、かなりの部分を任せています。AIもどんどん進化し第四惑星のようにあらゆるものを”機械”に任せる日がそう遠くない未来に待っているような気がします。

 こんなお話を、子供番組、ヒーローものの1話としてやってしまうことが、ウルトラセブンがいまだ輝きを失わない所以だと思います。

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