楡修平著・講談社文庫(上下巻)
学生運動華やかなりし1960年代。2人の男女が知り合う。
お互いに好意を持ち、身体の関係も持つようになるが、思想的に交わることなく、1969年1月を迎える。
東大安田講堂に立てこもった学生運動家たちは、機動隊を相手に戦いを始める。
そして30年後。
安田講堂に立てこもった女性は、大病院グループの会長となり、2人の息子に恵まれており、一人は東京大学法学部を卒業し大蔵省主計局に勤務するキャリアとなっている。
30年前に別れた男は、「国の懐に入り社会変革をする」という理想のもと、与党政調会長となっていた。
そして、この2人の子供たちに縁談の話が持ち上がる。しかし、息子は、30年前に別れたこの与党代議士になった男が実の父だったが、本人はまだ知らない。
大蔵省キャリアで、将来は総理大信を目指そうとしている崇が、プライドの高さに反比例してあまりにも頭が悪く、権力欲に取りつかれた親たちは、金と力でまわりをねじ伏せようと躍起になる。
ある意味そういう権力の亡者、金の亡者の末路は言わずもがななわけで、どのように失墜していくかが物語の根幹。
いくつかのピンチを首の皮一枚でかわし続けるものの、最後は…。
あまり明確な最後ではないなーと思ったら続編も出ていました。
続けて読みます。