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「血戦 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京2」

血戦 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京2 (講談社文庫)

楡修平著・講談社文庫
 前作「宿命」の続編。過去の不祥事を取りざたされて財務官僚を退官した崇は弁護士となり、代議士となって頂点を目指す夢は義父の策略で潰えた。そして8年。崇はいまだ策略を巡らす政権与党、政調会長の義父に反旗を翻し、対立野党から出馬、しかも義父と同じ選挙区で戦うことを選ぶ。選挙の行方は・・・。
 崇は前作よりも大人になり、登場人物たちが生き生きとして面白かった。09年の民主党による政権交代を彷彿とさせる内容ですが、この作品が罹れたのはまさにその時期。最後まだ続きそうな感じでしたが、いつか書かれるのかなぁ。

 前回も思いましたが、今回も”引き”のある最後だけは蛇足な気がします。充分面白いのにここまで書いて終わりにするのは、読者に対する裏切りです。
 「Cの福音」から始まるデビュー6部作(Cの福音/クーデター/猛禽の宴 続・Cの福音/クラッシュ/ターゲット/朝倉恭介 Cの福音・完結編)は、それぞれ連作でありながら単独でも楽しめる作品で、その他の楡作品も切れのいい作品が多いのに残念。

 要は続きを書いて欲しいのです。
 老獪な政治家、白井眞一郎はどうなる?代議士となった崇は?アメリカに渡った宣子は?いろいろと積み残しが多くて、読者に委ねるような内容ではない。
 「血戦-」が書かれてもう12年。そろそろ続きを出してほしいものです。
 というか、こういうのって勢いで書いてもらわないと、作者の考えが変わってしまって望まない展開になることが多いんです。平井和正の「(ヤング)ウルフガイ」は、「狼のレクイエム第2部」の10年後、第3部黄金の少女、第4部犬神明と一応完結しましたが、第3部は5巻もありながら主人公の犬神明は一切出てこず、第4部もダラダラと10巻も出ましたが、第2部のテンションから大ききかけ離れたものでした。

 ハリーポッターも10年かけて映画化したら少年少女の主人公たちがすっかり大人になってしまった。

 丁寧に作るのはよい事ですが、「バック・トウ・ザ・フューチャー」の2,3みたいに、続編ものは間をあけずに作って欲しいですね。