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「飛雲城伝説」

飛雲城伝説 (講談社文庫)
半村良著・講談社文庫

もともと「飛雲城伝説(壱)孤児記」「同(弐)女神記」「同(参)東西記」として発刊されていたもの+未完となった「神代記」をまとめたもので800ページを超える長編小説。でも未完。

美少女・鈴女(すずめ)は、戦乱の嵐の中、周囲の信望を得て、飛雲城の女城主となった。鈴女は近隣諸国と友好関係を築き、大国・大潟氏とも和睦し、新国「扇の国」を樹立する。そこへ都の大王家から、北方で勢力を増す築山氏討伐の命が下る。

架空の戦国時代のとある村が、周囲の集落を戦(力)ではなく、知恵と民衆の力で版図を広げていく。魅力的なおんな城主、鈴女。なるべく人を殺さず、理解を得て大きな国になっていく。とすると対抗するのは、民衆を搾取の対象としか思っていない大王家(天皇家)ということになる。北方の国と連合し、東の国々をまとめいよいよ上京し天皇家を落とす。すると天皇家は秘儀を用いて神々を召喚。北方の国も神々を召喚し、神様の戦いになったところで、未完。

神州纐纈城』『蔦葛木曽桟』、優れた伝奇小説は未完である」と言ったのは半村良だったか。伝奇小説は話が広がっている時が面白く、伏線回収して収束に向かう様になるとスケールダウンする。確かにその通りです。要は手品の種明かしを見るみたいな感じ。

そういう意味では未完は半村良としては正解なんでしょうけど、もうちょっと先まで読みたい。
ま、この渇望感、美味しいものでも最後まで食べるともういらないってなる腹八分目的な感じがよいといわれればそうかもねと思います。

そういえば、先日亡くなった松本零士もちゃんと大団円を迎えた話ってすくないかも。

でもま、やっぱある程度のところまでは書いてほしかったなー。