日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「緋友禅」

旗師・冬狐堂三 緋友禅 (徳間文庫)

北森鴻著・徳間文庫

文春文庫で初読、今回徳間文庫で冬狐堂全4冊が再刊され再読。旗師・冬狐堂シリーズ第3巻。今回は4つの短編。どれも陶子さんの知識と推理が冴えわたります。特に、4作目の「奇縁円空」は、「狐罠」に登場した銘木屋の大槻、練馬署の根岸、四阿も出てくる続編。自分の知らない魑魅魍魎の跋扈する骨董の世界を安全な場所から垣間見せてくれるこのシリーズ。しかも読んでいるだけで、骨董の知識がついてくるという一粒で二度も三度も美味しいシリーズです。

旗師というのは、店舗を持たない骨董屋。冬狐堂を屋号にする宇佐美陶子は、目利きと美貌で骨董の世界では知る人ぞ知る存在。その彼女が骨董を介して起きる事件に巻き込まれると言った連作短編。この本は、
 「陶鬼」
 「「永久笑み」の少女」
 「緋友禅」
 「奇縁円空
の4作が収められている。

 「陶鬼」は、萩焼に革命を起こした秋霜の秘密
 「「永久笑み」の少女」は、少女像の埴輪とその堀り師の話
 「緋友禅」は、友禅染の技法を使った無名の作家の話
 「奇縁円空」は、諸国を行脚して12万体の仏像を彫ったと言われている円空。その円空仏の贋作、鬼炎円空に纏わる話。

 タイトルは「緋友禅」ですが、全体のうち半分を占めるのが「奇縁円空」の話。

一応ミステリーなので、それら骨董にまつわる殺人事件はあり、主人公の陶子さんはただの骨董屋なのに常に事件に巻き込まれるのはお約束。相棒の写真家硝子さん、別の作品(「孔雀狂騒曲」)の主人公で下北沢の骨董屋・雅蘭堂の店主、越名集治も魑魅魍魎だましだまされの同業者の中でも陶子さんが信頼するの唯一と言っていい同業の協力者も出てくる。
骨董や絵画、仏像などの趣味はないので、観るのも聞くもの知らない話ばかりなのですが、綿密な取材をしているので、諸辺の知識も同時に深まっていく。


次が最終巻「瑠璃の契り」。もう購入済。これで冬狐堂最終巻。残念。

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