三上延著・メディアワークス文庫(角川書店)
「ビブリア古書堂」シリーズも11巻目。1~7巻が栞子さんが中心の第1シリーズで五浦君と結婚するまでの話。8巻(ビブリア古書堂の事件手帖 〜扉子と不思議な客人たち〜)からは、2人の娘扉子ちゃんが中心となりますが、本を巡る謎解きは今まで通り。
今回は、かつて実際にあった貸本屋、鎌倉文庫の話。
鎌倉文庫とは、
戦争が深まりによる出版事情の悪化で文学者も生活難に陥り、その解消と共に戦争で荒廃した人心を明るくする目的で、1945年(昭和20年)5月1日、神奈川県鎌倉市在住の文学者たちが自らの蔵書数千冊を集めて、鎌倉八幡宮の鳥居近くで貸本屋を開いた。発案者に久米正雄や川端康成、協力者に小林秀雄、高見順、久米正雄、里見弴、中山義秀たちがおり、読書券は横山隆一の図案、小島政二郎、大佛次郎、永井龍男、林房雄らが蔵書を出した。世話役の川端、久米、中山、高見や夫人たちが交代で店に出て、活字に飢えていた世相を背景に多くの読者が集まり、空襲の日以外は連日開店となって経営は成功を収めた。(wikiより)
一時は出版業も行っていたが、1950年(昭和25年)に残念ながら倒産。文人から供出された蔵書は、倒産後散逸してしまった。
著者本人の初版蔵書等も多くあり、現在市場に出れば数百万の値が付くものもあるとか。
今回のお話は、この鎌倉文庫から夏目漱石蔵書の「鶉籠」を手に入れた男が、どのような理由で男の元にあるのかから、幻の鎌倉文庫で貸し出されていた今や稀覯本ともいうべき蔵書はどこに行ったのか?という謎を、ビブリア古書堂三代、栞子さんの母親、篠川智恵子と栞子さんの娘扉子ちゃんが真相を探るというお話。
扉子ちゃんももう高校生。栞子さんは、母智恵子さんの手伝いをする為海外にいることが多く、逆に智恵子さんは、鎌倉の奥に引っ込んで悠々自適に暮らしている。
私も古本屋さんを利用しますが、専ら”読む為”で、初版本とか稀覯本の類にはあまり興味はありません。
あくまでも懐事情が許さないだけで、そういうものをコレクションしたいって気持ちはわかります。
最近は装丁が立派な本って少なくなってますが、明治~昭和初期の頃は本そのものが貴重だったこともあり装丁には凝ったものが多かった。
それが100年の時を越えて美本として現代まで残っていること自体貴重です。
「ビブリア古書堂」シリーズは、ライトノベルですけど本好きな人にはお勧めです。
個人的には栞子さんファンなので、栞子さんが活躍する第1シリーズ7巻がお勧めです。でも続きも気になってしまうけどね。

