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 「眞説 光クラブ事件 戦後金融犯罪の真実と闇」 を読む。

眞説 光クラブ事件 戦後金融犯罪の真実と闇【電子書籍】[ 保阪 正康 ]


保坂正康著。04年単行本、09年文庫化に際し補章追加。
 「光クラブ事件」というのは、戦後、若槻礼次郎以来の天才といわれた山崎晃嗣が、闇金融光クラブ」を設立し、1年余りで急成長したが、官憲に目をつけられ、事業が頓挫、最後は青酸カリ服毒自殺をしたという事件。戦後、道徳感や価値観が完全に崩壊して無軌道な若者が起こしたアプレゲール犯罪のひとつといわれています。
 光クラブ事件について初めて興味を持ったのは、TV朝日でやっていた「驚きももの木20世紀」という三宅裕司司会の番組でした。調べたら96.05.03放映、もう15年も前のことです。
 現役東大生、しかも抜きんでて成績の良い学生ががヤミ金の社長となる。親は木更津の名士。しかも、膨大な日記、記録を自らの手で著していて、1日を分単位で記録し、費やした時間が有益であったか無益であったかを○×△の記号で表す。日記には関係を持った女性との事まで詳細に綴っています。死ぬ直前まで書かれた日記は、死に際の実況中継までしている。
 「貸借法すべて精算カリ自殺 晃嗣 午後11時48分55秒呑む。午後11時49分 ジ・エン  」
 "ジ・エンド"の"ド"を書く寸前に意識が飛んだのだろう。

 この本は、丁度同じ時期、東大で同じ授業を受けていたもう一人の天才、平岡公威、別名三島由紀夫との関係についても明らかにしている。
 三島の「青の時代」は、光クラブ事件に材を取った作品(これも数年前に読みました)。勿論、フィクションの体を取ってはいますが、どうやら、三島と山崎は交流があったらしい。しかしあれだけ記録を残している山崎の手記に三島の名前は出てこない。「青の時代」の描写の中には、山崎に直接聞かなければ分からないような描写が出ているのに。
 しかも山崎が服毒自殺をしたのが昭和24年11月25日(服毒は24日だが守衛に発見され救急搬送、25日に死亡)、三島が市ヶ谷駐屯地で激を飛ばした後割腹自殺をしたのは昭和45年11月25日。二人の天才が、同じ月日に亡くなってるのも因果。まさか三島の決起は、山崎を意識したものではないのでしょうが…。天才2人が戦後をどう捉えてどう生きてきたのかは、さらに興味がわくところです。
 

 しかし…凡人にはいつまでたっても分かりませんね。