『そして粛清の扉を』黒武 洋 新潮文庫 を読む。
学園バイオレンスというと『バトルロワイヤル』が筆頭だが、
この作品はその趣とは異なる。
どちらかというと、『ごくせん』の真逆パターンという感じ。
超ワル高校の超ワルクラスの担任が、
卒業式の前日、
クラス全員を粛清していく。
だいたい、青春ドラマは、ワルが熱血教師の一生懸命さに感化されて
いい子になってしまうというパターンが多いが、
今の子どもはそんな風に一緒に熱くなってくれないんじゃないか、
表(学校や親の前)ではいい子にしていて、裏ではトンでもないことを平気でやる。
そんなゆがんだ子どもたちに反省を求めるのは無理だ。
「むしゃくしゃしていたから、クリーニング屋を襲った」
「先生がやさしくなるかと思って給食のなめこ汁に薬を入れた」
「親に学校に行けと言われ、うるさいので殺そうと思った」
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今月だけでこんなことが本当に起きている。
自分の子どもを見ていても、
常識がないっつーか、年齢に応じて本来身に着けておくべき社会性みたいなものが
身についていないような気がします。
いったい何が原因なのか。
社会か、親か、学校か、環境か・・・。
勉強の出来不出来も大切だけど、社会常識、ルールを身につける事が大切だと思う。
とまぁ、そんなことを考えさせられる小説でした。