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「プリンセス・トヨトミ」万城目学 を読む

 万城目作品を読むのは「鹿男あをによし」に始まり、「鴨川ホルモー」(ホルモンではない)、その続編「ホルモー六景」に続き4冊目となる。
 大阪に400年前から人知れず「大阪国」という独立国があった。独立行政法人への補助金の使途を監査する会計検査院の3人が謎の大阪国を白日のもとに晒す。という話。
 大阪国って何?何の為に?プリンセス・トヨトミって誰の事?なんて思った段階で、この小説にはまってしまい、あっという間に読めました。
 万城目作品ってみんな変なんだけど、ついつい引き込まれる。それは単に荒唐無稽な舞台設定だけで読ませるのではなくて、ちゃんと登場人物の成長を描いているからだと思う。「鹿男―」の小川先生も「鴨川―」の安倍や高村も、特異な経験を通じて一回り大きくなる。その非日常の中にある日常的成長がとても後味の良い印象を残してくれる。
 「プリンセス・トヨトミ」でいえば、会計検査院検査官の松平の成長が中心。むろん、いきなりセーラー服で登校する中学生、大輔の成長物語でもあるのだけれど、大輔は、ある意味冒頭から迷ってはいてもこれからは女性として生きていこうとする覚悟がある。厳格である松平が大阪国にどういう判断を下すか。最後まで目を離せませんでした。


 5月に劇場公開されます。しかもスタッフはTVドラマ「鹿男あをによし」のスタッフ。どうだろう、上手く料理できているといいのですが。

プリンセス・トヨトミ (文春文庫)

プリンセス・トヨトミ (文春文庫)