日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

「ママは悪くない」

 「ママは悪くない。僕がご飯を自分だけ食べて、弟や妹にあげなかったから。僕が本当に全部悪い」
先月二十日、さいたま地裁。埼玉県三郷市の豪邸で三月、二歳の男児が餓死しているのが見つかり、保護責任者遺棄致死傷罪で起訴された島村恵美被告(30)の初公判で、検察官が双子の弟妹とともに十一日間置き去りにされた長男(6つ)の調書を読み上げた。

 小学校に上がる直前に出て行った母なのに、そこに恨みの言葉はなかった。能面のようだった島村被告が肩を震わせて泣いた。

 豪邸の中は「ごみ屋敷」だった。室内に残飯やおむつが散乱。男児の双子の妹も脱水症状で入院した。

 検察官「自分だけ風呂に入り、かわいそうと思わなかったのか。子供がどうなるか想像しなかったのか」

 島村被告「しなかった」

 島村被告は中学生の時に両親が離婚、不在がちな母親に代わり十歳近く離れた二人の弟の面倒を見た。二十二歳で結婚。不妊治療の末に長男を授かり、親族は喜んだ。だが間もなく離婚。二〇〇五年十二月、一緒に暮らすようになった別の男性との間に男と女の双子を産んだ。親族との関係は冷え込み、長男の運動会には誰も来なかった。

 双子の育児は大変だった。一人が泣きやめばもう一人が泣く。単身赴任した男性の帰宅は年に数回。祖母も母親も資金援助だけで育児を手伝ってはくれなかった。会社経営者の祖母には「ちゃんと子育てしろ」と厳しくされ、母親からは「仕事で朝が早い」と突き放された。自分の時間が欲しかった。

 弁護人「祖母から『子供を見ているから遊んできなよ』と言われたことは」

 島村被告「なかった」

 一月ごろから子供を放置して居酒屋に入り浸り、また別の男性と交際。三月三日、長男に「ママはもう居なくなるから」と言い残し、自宅近くのマンションでこの男性と暮らし始めた。長男は寂しさと不安から一日三十回も電話をかけてくることがあった。

 九日後、長男の「弟が起きない」との電話で自宅に戻った。玄関で声を掛けたが、動かない次男を見て不安になり、引き返した。その二日後、今度は「弟が血を吐いている」との電話。「体を揺さぶって起こせ。人工呼吸しろ」と長男に伝えたが、手遅れだった。「ママも悪いけど、おまえも悪い。自分一人でご飯を食ってんじゃない」。激高し長男を平手でたたいた。

 「ママのシチューとカレーが大好き。ママが帰ってこなくて寂しかった」。保護された長男はそう話したという。

「長男は今もあなたをかばっている。どう思うんですか」。法廷で検察官に問いただされた島村被告は、泣くしかなかった。長男と長女は今、施設で暮らしている。
検察側は懲役八年を求刑。判決は三日に言い渡される。

(9月2日 東京新聞

ママを責めるのは簡単だ。
このニュースを聞いて、おそらく大多数の人がママを責めるだろう。
もちろん、私もそれに反対はしない。圧倒的にこの被告の所為だと思う。
実は、この公判のニュースが出た時、すぐにここに書こうと思ったのだけど、ちょっと冷静になってみようと思って今まで触れませんでした。
(以前事件発覚時にblogで触れていますが…。)

こんな状況においても、それでも長男は「ママは悪くない」と。

愛情って何なんだろう。
うちの娘も家族のことが好きだという。
上のお兄ちゃんは、妹が大嫌いと公言してはばからないのに。
理不尽ないじめを受け、私がお兄ちゃんを怒ると
泣いて私を止めてお兄ちゃんを守ろうとする。
昔、彼女に「何でお兄ちゃんのこと好きなの?大嫌いってゆわれていじめられてんのに」と聞くと「お兄ちゃんだから」といったことがある。
無条件かい!
そもそもおめーがいじめられてんのを助けてあげたのに、これじゃ私の立場が…。そう思ったものの、ま、それもありかと暖かい気持ちになった事があります。

結局、愛情って何だろうね。
親に愛されないと子供を愛せないのだろうか?
母性って本能じゃなかったの?

なんか悲しいです。