話題にもなった映画「おくりびと」の原案となった作品。
納棺夫(映画では納棺師)って要は葬儀屋さん。
自分の経営していた飲食店が倒産し、仕事にあぐねていた筆者が、新聞広告で見つけた葬儀屋で働くうち、死とは何かを深く考える話。
と、書いてしまうと確かにこれだけの話なんだけど、地元に多くあるという浄土真宗の考えから、宮沢賢治、アインシュタイン、果てはスーパーカミオカンデのニュートリノ理論を引用し死生観、宇宙観を著していく。
日頃、身近に死を感じることのない生活を送っていると、死を遠ざけ、忌避してしまいがち。でも全ての人に平等に訪れる死に対しての考えは、やっぱしっかり持っていた方がいいよね。
この中で孤独な死というのは、あたりまえじゃん的話がある。どんなに病室に人が集まっていようと、死に向き合ってるのは本人だけ。アパートで孤独に死んでもそれは同じという。
確かに、そう。完璧に本人と同じ立場には立てないもんね。
生きている側はいつまでも生きていてほしいと思うし、今まさに逝こうとしている人にとってはそれはもしかしたら邪魔なものかもしれないし。
自分なりの死生観考えてみるいい機会になりました。
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