タイトルは、「6つの汚れ(染み)」みたいな意味?
「今できる最善のこと」
「畳算」
「サクラ」
「媽媽」
「断ち切る」
「920を待ちながら」
の6編。
福井晴敏は、ガンダムもの(『月に繭 地には果実』『機動戦士ガンダムUC』)以外は読んでます。「6ステイン」は、著者の(防衛庁情報局(DAIS))もの。「亡国のイージス」と同じ世界観をもつ、6つの中短編集。
防衛庁情報局(DAIS)は、非合法の諜報活動を行う架空の組織。「6ステイン」はその中でも殺人、誘拐等の実際に手を汚す末端の構成員たちの話。そういうお話だから、勿論活劇要素はあるんですけど、どちらかというと、末端で上からの命令に、私情、感情を挟まず殺人を含む非合法な作戦をこなす事が仕事だと思いながらも、それでもやっぱり人であるという哀しさの漂うすてきな話でした。
なかでも、山奥で、諜報活動に巻き込まれた元芸者が畳算(後挿し(後ろに刺すかんざし)を転がして、旦那がいつ頃やってくるかを占う)をしながら待っていたという「畳算」と、中国残留孤児2世の話(「媽媽」)とその続編の元スリ(バックやポケットをカミソリで一瞬にして断ち中身を戴く)が諜報活動に巻き込まれる話「断ち切る」が、いい話でした。
「亡国のイージス」は、手に汗握るアクションでしたので、そういった話が好きな人はそちらから。人の優しさ、哀しさの物語がお好みであれば、こちらから福井ワールド(DAISシリーズ)に入られるとよいと思います。
ちなみに、元々この本BOOKOFFで買ったのですが、DAISの徽章ピンズ3個付きのスペシャルパックが新刊の時に発売されていたのを知り、何気にamazonで調べたら残1個。そっこー注文してしまいました。かっこいいんですけど、よく考えたら諜報組織に徽章はないわな。。