日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

「シリウスの道」(上)藤原伊織 を読む。

 前後篇の場合、全部読んでから感想書くのが筋なんですが、あまりにも面白いので書いちゃいます。
 主人公辰村は、大手広告代理店の営業。そこに予算18億のプロジェクトが舞い込む。というと単なる企業ものかと、早合点してはいけません。そこに幼馴染3人が25年の時を越えて忌まわしい過去を現在に呼び起こす。幼馴染ものというと「永遠の仔」(天童荒太)が白眉ですが、そんな展開。更に、美人上司とのロマンス。あと「テロリストのパラソル」を読んだ人には懐かしい人と場所もさりげなく用意されていたりする。藤原伊織好きには堪らない作品です。
 キャラクター造形もよい。主人公辰村は、心に闇を抱えつつ、組織の枠に囚われない仕事は誰もが認める一級品。あまりにもはっきりした物言いに敵も多いけど、彼を信頼する上司部下も多くいます。周りから莫迦といわれる中途新人の戸塚。現役閣僚の息子だけど、そんなことを利用しようとするような姑息な奴じゃない。1度注意された事は2度と間違わない。実は優秀な部下。デイトレのやりすぎで前の会社を馘首になった派遣社員の由香。でも彼女も株を動かすのは虚業だと判っていて、一番大切なのはものづくりのはじめの一歩、ねじを作る職人だという。そして彼女の能力がプロジェクトに生かされていく。そして、切れ者の女上司立花部長。しかも学生時代はミスコンで優勝したこともある美人。
 これだけのキャラクターを揃えた小説が面白くないわけはない。その上複数の糸が絡み合うように物語が進行していくリズム感。
 藤原伊織は2007年に残念ながら亡くなっています。電通の社員時代に応募した「テロリストのパラソル」が、江戸川乱歩賞直木賞を史上初めてダブル受賞。
 その後亡くなるまでに10冊の本を出しています。いずれも文庫化されてます。寡作なのは返す返すも残念です。もっとたくさんの作品が読みたかった作家さんの一人です。
 さ、つづき読まないと。
 

シリウスの道〈上〉 (文春文庫)

シリウスの道〈上〉 (文春文庫)