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「ナナのリテラシー」3巻(最終巻)


ナナのリテラシー3
鈴木みそ著・ビームコミックス。

 電子書籍出版にまつわるお話を怪しげなコンサルティング会社でバイトすることになった女子高生許斐七海ちゃんを通して詳らかにしていくお話。
 著者の鈴木みそさん、電子出版に精力的に取り組んでいて著作を独力で電子書籍化をしている草分け。そこでの苦労や今後の展望について、ストーリー漫画で虚実織り交ぜて分かりやすく説明してくれてます。

 この3巻で最終巻となった理由もあとがきでかかれていたりして、どちらかというと紙媒体での出版に見切りを付けてしまった感もある。
 twitterでみそさんに「ナナのリテラシー」第3巻紀伊国屋で書籍版購入しました。最終巻残念です。是非続編をっ!」と報告したら、「紙の本のお買い上げありがとうございます。実は、電子版はこの前にチョビっと続編を付け足す予定なのです。すいませんどうも。」と返信頂きました。電子書籍版はおまけの続きを付けたのか…。
 私的には古い人間のせいか、漫画も小説もまだ紙で読みたい派なんですよねぇ。電子書籍の良いところは自分でも分かっているつもりです。場所はとらないし、いつでも携帯できるし、劣化することはないし。最近は、端末も軽くなり、目も疲れないようになっているという。青空文庫みたいに版権の切れた作品は無料で観る事も出来る。電子出版先進国のアメリカでは、売上では既に紙媒体を追い越している。書店で並ばなくなった旧作も電子出版では購入し読むことができる。電子出版を黎明期から始めている平井和正も月光魔術団の最終シリーズ「月光魔術團III 幻魔大戦DNA」は電子版しかない。旧作の「ウルフガイシリーズ」や「幻魔大戦」他、殆どの作品は電子出版で今読むことができる。「幻魔大戦」の続編「幻魔大戦deep」は電子書籍しかなく、完結編の「幻案大戦deepトルテック」は紙媒体で殆ど自家製本出版のような形態で発売されているものの21000円と超高額。つまり、紙で少部数作っても採算に合うにはこれくらいの金額が掛かるという事を発行時平井和正本人が言っていたように思います。

 レコードがCDにとってかわったのはあっという間でした。今CDが売れなくなってネット配信が徐々に増えてきていると言います。
 おそらくそれと同じ状況が書籍の世界にも来ている。そうするとさほど遠くない未来に、紙媒体での出版はかなり縮小するのは間違いないことなんでしょう。紙の本は一般人には贅沢アイテム、好事家のアイテムとして細々と生き残っては行くでしょうが、大半は電子媒体に移行してしまう。私たちは日常的に紙の本を読む最後の世代なのかもしれません。


 そんなことを思いながら読みました。
 電子出版に興味ある人にとっては作り手側にとっても読み手側にとっても興味深い内容です。

 

ナナのリテラシー3

ナナのリテラシー3