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「交渉人・籠城」

交渉人・籠城 (幻冬舎文庫)
 五十嵐貴久著・幻冬舎文庫
 警視庁特殊捜査班に所属する交渉人遠野麻衣子を主人公としたシリーズ第3弾。今回は、自分の経営する喫茶店に客を人質にとって籠城した犯人との交渉。犯人は3年前に娘を惨殺された男。交渉の中で男が要求したのは、娘を殺した犯人を連れてくることだった。

 酒鬼薔薇事件(神戸連続児童殺傷事件)、光市母子殺害事件、名古屋アベック殺人事件、女子高生コンクリート事件、私立サレジオ高校で起こった同級生による惨殺事件(川崎市中1男子生徒殺害事件、「心にナイフをしのばせて」のタイトルでノンフィクションが出ています。)…未成年による凶悪殺人事件が、これまで幾度となく起きています。
 少年法に守られた未成年者の犯罪では、事後の更生を念頭に置き、加害者の人権は徹底的に守られますが、果たして本当に更生の余地があるのか疑問だったりします。未成年であろうとなかろうと、人を殺したらそれなりの罪は償うべきで、少年法に守られていることを理解し、それを逆手にとって犯罪を犯す未成年には、厳罰を処すべきだと私は思います。
 その一方で、被害者についてはマスコミによって好奇の目に晒される。最近は被害者保護の考え方も随分浸透してきましたが、法整備されているわけではないので、マスコミの自主性に任されている面が大きいのも事実。そういった意味では、籠城した男の気持ちによりシンパシーを感じて、警察側の立ち位置で読むことができなかった。

 単行本が出たのが2010年。今から7年前のインターネットの環境が思い出せないのですが、今ならこんな事件を起こさなくとも、少年法の欺瞞を告発するやり方はいくらでもあるような気がします。作中でも「興信所に娘を殺した少年を探させたが見つからなかった」とありましたが、興信所の能力をもってすれば少年の行方なんてさほど難しい部類の仕事ではないんじゃないかなぁ。TVで訴えたいという手法は、既に過去のもの。個人が発信する手段はいくらでもある。
 
 結論が出せない少年法の問題。否、心情的には少年法による加害者保護は犯罪の質によって成人同様の刑罰に処すべきだと私は思います。
 更生の余地があるかどうかも非公開の家裁で決定するのではなく、ちゃんと公開裁判で行えばよい。悪いことをしたら罰せられる。償いをしなければならない。子供であろうともそれは当たり前。1度の過ちで人生を棒に振るのがかわいそうっとか言っているから、出所後再犯したりする。場合によっては極刑、厳罰に処すべきです。

交渉人・籠城 (幻冬舎文庫)

交渉人・籠城 (幻冬舎文庫)