金子正次。
80年代に打ち上げ花火のように輝いた人。
『竜二』(83年)を脚本・主演し公開後まもなく病死。
享年33歳。
なくなるまでに5本の脚本を執筆。
『チ・ン・ピ・ラ』(84年)<『チンピラ』(96年リメイク)>
『ちょうちん』(87年)
『獅子王たちの夏』(91年)
と4本が映画化された。
残る脚本は、『盆踊り』のみ。
金子正次が『竜二』を撮るまでを描いたノンフィクションを基にした
『竜二forever』(02年/原作:生江有二)も『竜二』を見たらおさえておきたい。
『チ・ン・ピ・ラ』(84年)を久しぶりに見た。
「『スティング』のまねじゃんー」というのは簡単だけど、
中途半端な状態が居心地いいっつーのは、
ある意味理想的で、
責任を持たされることで成長するというのは判るけど、
生き方として、成長することが全てというのも
欺瞞のような気がする。
時代的にもバブル突入前夜で
なんとなく浮かれており、
そういう生き方で一生生きていけそうな雰囲気があった。
年をとるということは、
だんだん可能性の幅が狭くなり、
社会的にも責任ある立場になっていく。
自由な生き方を貫くのは、
流されるままに社会的責任を負うよりも
大変なことなのかも知れないなぁ、と
学生時代に見た時と異なった感じ方でした。
それにしても惜しい。
金子正次。
そのままでは、荒削りな脚本も、
別の人が脚色することで十分エンターテイメントになっている。
『盆踊り』映画化しないかなぁ。