日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「年下の男の子」 を読む。

 
 五十嵐貴久著・実業之日本社文庫


 五十嵐貴久さんは、以前このblogにコメントを頂いたりしてるせいもありますが、殆どの作品を読んでいます。


 37歳の川村晶子さんは、銘和乳業広報課のOL。一人の生活にも慣れて何となくマンションを買うはめになったところからお話は始まります。あるトラブルがきっかけで、取引先の担当者、児島くんと仲よくなります。児島くんは、晶子さんに惚れてしまいます。しかし児島君は23歳。晶子さんとは14歳も離れています。歳の差を気にせず猛烈にアタックしてくる児島くん。でも晶子さんは、その歳の差を乗り越えて児島くんと付き合うのに躊躇する。さて、2人の関係は…、って話。

 
 最近は、とにかく晩婚化が進んで30歳になっても結婚する男性はおろか、女性でさえ20歳代で結婚する人は少なくとも自分の周りでは少ない。私たちはバブル世代で、楽しい思いをしてきたから、気が付いたら婚期を逃していたなんて人もいる。その後、長い不況の時代、経済的に自立出来ない男女が、自分の生活(楽しみも含めて)だけで精一杯という気持ちになり、結局結婚しない、できないなんて人も多い。


 結婚に夢を見るのは当然かもしれないけど、結婚したからといって生活が楽になったりすることはない。子供がいたりすれば一人の時と異なり更に時間さえ自由にはならない。だから結婚しないって人もいる。でも、結婚はした方がいいし、子供もいた方がいい。お金や時間や自由に代えられないものは間違いなくあるんです。
 
 
 適齢期なんていう言い方は古いかもしれないし、こんなことをいうとすぐに「女は子を生む道具じゃない」とか言われたりしますけど、子どもが欲しいなら母子ともに健康の事を考えれば早いに越したことはない。勿論男性の精子だって、若い方が元気に決まってる。晩婚は社会的、国家的な問題以上に、人類の種としての大きな問題でもあります。


 今さえよければよい、自分さえよければよいというミーイズムの蔓延が、今、人類そのものの危機なんです。

 
 特に女性は、自分が好きな人と結婚するよりも、自分を好きでいてくれる人、大切に想ってくれる人と結婚するのが一番だと思います。そういう人と巡り合う為に、自分を磨くわけで、自分を磨く事が目的になってしまっている今はやっぱどっかおかしい。


 ラスト近く、やっと本当の幸せとは何かに気が付く。晶子さんと児島くんは、確かに14歳も離れているけど、晶子さんは児島くんの真摯な想いを受け入れて幸せになってほしいなぁ。


 世の中の晶子さんたち。児島くんほどじゃないけど、いい男は周りにいっぱいいますよ。
 男性諸氏も自分の事ばかりにかまけてないで、ちったぁ大切にしたいって思う女の人を見つけてどんどんアタックしていって欲しいなぁ。



 丁度、晶子さん世代、特に独身女性にお勧め。
(続編(「ウエディング・ベル」)もあるらしいけど、あんまし評判はよくありません…) 



 

年下の男の子 (実業之日本社文庫)

年下の男の子 (実業之日本社文庫)