日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「クライマーズ・ハイ」(TV版)を観る。

今から28年前の今日、群馬県御巣鷹の尾根に日航123便が墜落しました。乗客乗員合わせて524名うち助かったのはわずかに4名。
毎年、この日前後にはこの事故に関する小説、ノンフィクション、映画などに触れるようにしています。

クライマーズ・ハイ」は、「半落ち」「震度0」など警察小説をよく書いている横山秀夫の作品で、TV版は、2005年NHKで前後篇として放映されました。

 ひとことで言うと映画版(2008年公開/原田眞人監督)と比べて、原作に忠実な作り。映画版が145分、このTV版は75分×2=150分と5分しか違わないけど、TV版の方が原作に忠実でよい。いや、原作に忠実な事がすべてよい結果を生むとは言わない。しかし、原作を大切にする気持ちはTV版の方に感じます。

 群馬の地方新聞社の遊軍記者悠木(佐藤浩市/映画版:堤真一)が、日航123便墜落事故の全権デスクに抜擢される。悠木は、会社の登山クラブに入っており、その日は販売部の友人安西(赤井英和/映画版:高嶋政宏)と谷川岳の衝立岩に登る約束をしていた。
 地元紙の威信にかけて、トップ記事をものにしようとする悠木とメンバーたち。しかし社内には、昔同県内で起きた「大久保清事件」「連合赤軍事件」を追い掛けた自負のある上役達が現役の記者が生き生きと仕事をしている事を面白く思っていない。その挙句、速攻現地入りした若手記者の「現場雑感」を消し、自衛隊賛美という理由で生々しい記事を1面から2面へ追いやる。


 このドラマは、あの事故を題材にしているだけで、それに絡む新聞社の状況と全権デスクとなった悠木の家族の問題という2軸がストーリーの中心。このドラマ版は、それがしっかりと描かれていて、更に社内での出世を捨て、一記者として遊軍記者を続ける悠木の生き方についても丁寧に描かれています。


 死は全ての人の隣にあり、そんな中でどう生きていくか。正直、会社のヒエラルキーに疑問を持ってしまった私としては、映画版よりもTV版の方がより胸を打ちます。映画と原作は別物と思いますが、どうせ観るなら、より原作の考えをしっかりとフィルム(と言っても最近はどちらもビデオ撮りですが)に定着させる事が出来たTV版にこの作品は軍配。


 どちらかしか観ないなら、TV版お勧めです。TV、映画共にレンタルあり。但しTV版は上下2巻。

クライマーズ・ハイ [DVD]

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