1992年の作品。先週に引き続き、グリソムギャングにて小中和哉監督特集を開催。今日は、兄上で脚本家小中千昭さんと小中監督の兄弟トークショウ付きでした。
「くまちゃん」観たかったんだけど、ついぞお目にかかることなく今まで来てしまい、初めて観ることができました。
売れない彫刻家(草刈正雄)のアトリエに突然卵状の落下物。中から出てきたのはぬいぐるみのくま、にしか見えない異星人。一方お台場では、国籍不明の漂着物が(空から落ちてきた宇宙船なんだけど)。密入国と勘違いした公安警察(上田耕一、サブ)がくまちゃんを追う。
一方のくまちゃんは、草刈正雄と行動を共にする。草刈正雄はバツ一で、若い役者の卵(川合千春)と出逢いつきあっているけど、肝心な一言が言えない。「約束をするってことは責任を取らなきゃいけないってことだから」と、逃げてる。くまちゃんはそんな草刈正雄が歯がゆくてしょうがない。そこでくまちゃんは、この2人を結びつけるキューピットに…。
って感じのハートウォーミングな作品。
全編ジャズ(ブルーノート)の音楽で、しっかりとした大人のドラマ。しかも小中監督らしい優しい映画でした。
上映後は小中兄弟によるトークショウ。
そもそも、兄弟で第一線の映画監督と脚本家って珍しい。小さい頃の映画ごっこから始まり、実際に8mmを回し始めたのが小学生の頃。そこから、2人がどうやって今に至るのかというお話を聞かせていただきました。
そのあとの懇親会でも、たくさんの映画の話を聞かせていただくことができ、至福の時を過ごすことができました。
「くまちゃん」の中での話で、千昭さんが「人ってテレパシーとかないから、わかりあうためにはやっぱ話さないといけないんだよね」と言ってました。勿論これは「くまちゃん」のテーマでもあるのですが、小中監督と千昭さんの関係というお話の中で、同じものを観て育っているので、お互いにすべてを話さなくてもだいたいわかるところがいいよね、と言ってたことが印象に残りました。
くまちゃんは、音楽の権利関係でDVD化されていませんので、なかなか見る機会はないと思いますが、もし、何かの機会があれば是非観てみてください。DVDならないかなぁ。
ちなみに若いころの江戸はるみや田口トモロヲも出ていたりします。草刈正雄の前妻役が風祭ゆきでちょっとドキドキ。