社会学者と、少子化をメインに取材を続けているジャーナリストによる「婚活」のお話。
最近30代、40代になっても独身の男女が多いなぁと思っていましたが、なんでみんな結婚しないんだろうと思い、読み始めました。それは、積極的に独身を選択しているばかりではなく、結果として独身を続けざるを得ない様々な問題があることがよく整理されています。
私は、「婚活」をすることもなく26歳で結婚をして今に至ります。当時は、「女性はクリスマスケーキ」(24(歳)までは売り頃だけど、25(歳)過ぎると売れ残り)、なんて言われてましたが、今や、25どころか35過ぎても独身女性の多いこと。昔は結婚をしないという選択肢は非常に稀でした。特に男は、結婚をして初めて"一人前"として認められていた時代が20年前にはまだありました。ところが、社会が寛容になり、今は結婚をする事が選択肢の一つとなってしまいました。結婚する、しない選択できるのであれば、しないという選択をする人が増えるのも判る気がします。だって、経済的観点からいえば、結婚をしない方が全然よいですもの。
お給料の全額をほぼ自由に出来、趣味や自分磨きにかけられる。まして子供なんてできた日には、自分の時間を犠牲にするにと留まらず、成人するまで1千万円以上も掛かる。挙句の果てにひとりで育ったような大きな顔をされていたりする…。
一方で、そんな辛苦をものともせず、やっぱり結婚をしたいという人がいます。ただバブル後の経済状況は一向に回復の兆しもなく、正社員になりたくてもなれないような社会になってしまっている。結婚してお嫁さんには専業主婦になってもらって、家庭を守ってもらうなんていうのもなかなか難しい世の中。でも子どもが出来てしまったら、一定期間は、一人の収入で生活をしなければいけない。これでは、結婚したくてもなかなかできない。
出逢いが減っているというのもその通りで、居心地のコミュニティは往々にして同性同士のコミュニティだったりする。男女が集まるコミュニティにしたところで、声すら掛けないだらしのない男たち。女の人にプロポーズさせるなんて、昔は恥ずかしくて出来ないものだった、というのは、年寄りの戯言になってしまった。
いろんな理由で、結婚の為の活動、「婚活」が一般的になった。確かに自分の力ではどうしようもない時代かもしれないけど、特に男性が、もっと元気になって片っ端から声かけて振られたりしながら、男磨きをする努力をする事が今一番大切な事のように思うんだけどなぁ。
フィリップマーロウは、「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」と言いましたけど、優しいだけでも生きていけないのです。女性蔑視的発言をあえてするとすれば、女子供の一人や二人、養っていく位の甲斐性がなくて、男といえますか。
いや、新しい夫婦関係は、一緒に家庭をつくっていくものだとも言います。でも強くなった女性と対等な関係を築くにも男がもうちょっと頑張らないとね。
- 作者: 山田昌弘,白河桃子
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2008/02/29
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