園子温監督が、09年に映画化した同名作品。映画化前の08年に小説として発表されています。
映画の方は237分(約4時間!)と長大な作品。前後編ならともかく、これを一気に上映したというのだから、小屋としては迷惑な話。実際ユーロスペースでは2500円の特別上映だったとか。
ぐいぐいと力押しで来る画面とストーリーで、あっという間の4時間ですが、脚本も監督自身が手掛けているので、小説版は映画のストーリーをそのままなぞっています。発表順からすると逆ですが…。
映画でわかりにくいところを反芻する意味でも、小説版の存在は大きい。300頁なので人によっては映画を見る時間よりも早く読めるかも。
だいたいこれが実話をもとにしているというから驚き。もっとも骨格部分(盗撮のプロが新興宗教に嵌った妹を救い出す)だけでしょうけど、気になります。
おもしろいのは、普通の小説の活字を使っておらず、太字明朝と太字ゴシック、ゴシックを効果に応じて使い分けている。更に、はみ出るように配置された章建ての表現は、小説表現からも逸脱している。
4時間と聞くと二の足を踏みますが、世の中にはこんな映画があるんだと、目から鱗なんで一度は観てほしいかも。一応R15です。
懺悔を通してでしか神父である父親との関係を続けられない為、盗撮を続けるユウ。ある日パンチラ盗撮の罰ゲームで「女囚サソリ」の梶芽衣子のコスプレをしたユウ。亡き母親との約束「マリア様みたいな女の人を探す」ユウは、ヨーコ(満島ひかり)と知り合う。
小説版よりもやっぱり映画をみてその補完として小説版を読むというのが正しいかも。
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