家主のいなくなった実家に帰って遺品整理。
今の家には42年住んでいました。戦前生まれ、戦中戦後と大変な時代を生き抜いてきた両親にとってままさに城。そこにはたくさんの思い出とともに物が沢山溢れています。
結婚をしたのが昭和37年。高度経済成長期です。「もはや戦後ではない」などといわれたのが昭和31年ですから、巷からも戦後の影が消えてきた時代です。とはいえ、物のない時代を過ごしてきた両親に消費社会はあまりにもなじまないものだったに違いありません。そうして溜まっていった生活雑貨。使えるものは捨てない。使えないもの、今使わないものもいつか使う日がくるのを待って押し入れの奥にしまい込まれました。
また生活をするだけで大変だった時代から少し余裕ができて旅行にも行けるようになった。すると各地で思い出の品を買ってくる。北海道に行けば熊が鮭を咥えている木彫りの人形や同じく木彫りのニポポ人形。家を飾る西洋人形、日本人形、こけし…。想い出は両親のもので私には何の思いもありません。逆に小さい頃そういった人形は怖いというトラウマさえ持っていました。
こういった思い出の品は捨てるのも躊躇してしまいます。親や姉貴が貰った表彰状もちゃんと額に入りたくさん保管されていましたが、姉貴は自分の小学生の頃の表彰状は全て捨てて構わないという。親の賞状も保管しておくほどの内容はなく、申し訳ないけどすべて廃棄。
ものはたくさんありますが、高価なものは殆どありません。とはいえ、思い出の品ばかりなんでしょう。心を鬼にしつつ、時間と戦いながらこれからも片付けていくしかありません…。